リトルリーグのシーズンは毎年4月に始まる。
シーズン初めにいつも新しいユニフォームを買う。
リオは全試合に出場。17試合を戦った。
試合の時にしか着ないユニフォームももうボロボロ。
滑ったり、こけたり。膝には大きな穴があいている。
スパイクも泥々。靴ひももちぎれている。
庭で僕と二人で練習する時に使うボール。
何度か買い足したが、すぐにこうなる。
リオの専属バッティング投手である僕は、毎週、200~300球のボールを投げる。
ズタズタになった道具を見ているだけで胸が一杯になる。
「リオは本当に野球が好きなんだなぁ」
シーズン半ばに打った初めてのホームラン。
リオは「My First Homer」と書いて、自分のお金でショーケースを買い、そこに入れた。
シーズンを2位で終えたロイヤルズはプレーオフ準決勝に勝ち、決勝に進出。
決勝の相手オリオールズの選手はほぼ全員が5年生。シーズンを1敗で終えた最強チーム。我々は5年生は1人しかおらず、ほとんどが4年生。リオを含む3人はまだ3年生。オリオールズとは3度対戦したが全敗を喫している。
ロイヤルズは3試合制の第一戦を二枚看板のエースで臨んだ。
2回に一挙6点を失ったものの、次の回に驚異の6連続ヒットで5点を返した。
そこで雷雨が訪れ試合中断。
翌日、試合を途中から継続。あっと言う間に引き離され、結果は15対7の大敗。
技術と体力の差がはっきりと出た一戦だった。
コーチ陣は次の試合に3,4番手の投手を使わねばならぬ事を知っており、優勝が大きく遠のいたと感じていた。
今日、第2戦があった。今日、負ければ、シーズンは終わりだ。
初回に1点を失ったものの、先発投手がよく踏ん張って、その後、追加点を許さなかった。3回の表にロイヤルズは3点を入れ逆転。
4回の攻防を終えたところで、雷が鳴った。リトルリーグの規約で、雷が鳴ると安全の為20分試合を中断することになっている。
待っている内に雨が本降りになり、試合終了。規定の4回まで戦ったので、ロイヤルズの勝利が決定した。
歓喜に包まれたダグアウトで子供達が抱き合って喜んだ。
家に帰ってからリオに聞いた。
「リオは今日、試合する前、勝つと思ってた?」
「うん」と、リオはあっさりと答えた。
さあ、金曜はいよいよ最終戦。
頑張れ、ロイヤルズ。
泥だらけの栄光をつかめ!
Takaya
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