(前号からのつづき)
二階に上がると真っ先に湯沸かし器をチェックした。
日本では標準になっている瞬間湯沸かし器だが、アメリカでは非常に稀。皆、大容量のタンクに沸かしたお湯を溜めておくタンク式を使っている。
近づいて良く見ると・・・
機械の底から水が漏っている。
ゴミ箱を下に突っ込み応急処置。
保険会社に電話したら、機械の故障は保険が適用されないとの事。
つまり、自分で対処しなければならない。
製造元のリンナイのウェブサイトに行き、最寄のサービスセンターに電話をしたが、人間とは話す事が出来なかった。メッセージを残して電話を切った。
湯沸かし器がないと風呂に入れない。これは言ってみれば緊急事態だ。僕はサービスセンターには見切りをつけて、電話帳をめくって良さそうな修理会社を探した。以前使ったことのあるヒーター会社に電話したら、
「三日後なら来れる」と言う。
「これが直らないとシャワーに入れない。何とかならないか?」と相談したら、
「今、外に出ている者が一人いるから、その人を回しましょう」
ラッキー!
一時間後という予想外に早い時間にその人がやって来た。
「この機械はもう死んでるよ」が彼の診断。
「保証期間中なら無料で新品を送ってもらえるかも知れないので、調べましょう」と有り難い事を言ってくれた。翌日に再度、彼と連絡を取る事になった。
明日の朝一番に天井の修理を担当してくれる会社の人と保険会社の人がやって来る。それまでに、床を奇麗にしておきたかった。
せっせと1時間以上も掃除して、やっと奇麗になった。
だが、待てよ。
工事を始めると折角奇麗にした床がまた汚れる。もうこんな辛い掃除はこりごりだ。
僕はホームデポに行って、これを買った。
ビニールシート。
隣接する部屋との間をカーテンのように天井から吊るして仕切りを設けた。これなら、工事中、粉じんなどが入って来にくい。
学校から帰って来た双子は喜んだ。
子供は何でも変わった物が大好きだ。
実はジーニィに
「しばらくシャワーに入れないよ」と車の中で言ったら、
「月曜から林間学校なのに。お風呂に入ってから行きたかったのに」と言って泣きだした。
「ティナカ(向いに住むおばさん)の所で入らせてもらうから心配すんな」となだめた。
ともあれ、我が家は準備万端。あとは、保険屋と工事屋を待つばかり。
翌朝早々、二人は来た。
天井の修理費用は約3200ドル。内、500ドルは我が家の出費。あとは保険がカバーする。
湯沸かし器の方はこちらが全額負担。昨日、ヒーター会社に30分ほど来てもらっただけで100ドルかかった。幸いリンナイ社が機械を無料で交換してくれる事になり、自己負担は、取り付けに掛かる費用だけ(推定300ドル)。
そして、二週間前の雨漏りで判明した、屋根の継ぎ目の修繕を天井の修理の前にやらなければならない(推定250ドル)。
どうも我が家はここのところ水難続きだ。
ベッツィーは今朝、向いのティナカ宅でシャワーを使わせてもらった。しかし、明日の12時からお客さんが沢山泊まりに来るそうで、そこはもう使えない。二日置きくらいに近所の家々でシャワーを使わせてもらう手配をしなければいけない。
24日からは友人家族とベッツィーのお母さんが我が家に泊まりに来る。天井の工事と時期が重なりそうだ。湯沸かし器は来週半ばまでに復旧する見込みだが、何とかそうなって欲しいものだ。
今回の事件を朝、バス停で近所の人に話したら、とりわけ積極的に、
「うちのシャワーを使っていいわよ」と言ってくれた人がいる。
話をしている内にわかったのだが、彼女は8歳の時に両親が離婚し、母親と一緒に住んでいた。とても貧しくて、3年間、お湯が使えなかったそうだ。
まだ1日のお湯無し生活に不便を感じている自分を反省した。しかし、よくもまあ3年間も、冬の間も、水のシャワーを浴びれたものだ。
「辛かったけど、慣れたわ」
さらりと言う彼女に尊敬の念を禁じえなかった。
よし、僕も水風呂に挑戦しようと、家に帰ってさっそく湯船に水を張ったが、指を一本突っ込んだだけで、根性が萎えて行くのを感じる。情けな~。
でも、この期間中に、お湯のある生活の有り難さを子供達としっかり確認しておこう。
Takaya
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