ジーニィは9才の誕生日にピアスの穴あけをしてもらった。

夜寝る前、朝起きた後、するべき日課が増えた。




消毒液をコットンボールにたっぷり浸みこませ・・・




耳を拭き拭き。




「今日はどれにしようかな?」とジーニィ。

勿論、これ以外にも多種多様持っている。

「ジーニィ、早よせなバス来るで」と急かす父。

もともと朝の用意に時間がかかる彼女。ピアスのせいで更に長くかかる。





ぐいぐい押すが、なかなか入らない。

「ジーニィ、痛くない?」と心配になって聞いた。

「ううん。大丈夫」

勝手のわからぬ僕は、ただ見ているだけ。

「ほら、入ったよ」

「よし、行こ!」と言っても、彼女は鏡の前から動かない。




まだ眠たげな瞳でじっと鏡を見入る娘。

僕には今彼女が見ているものが見えない。


「うん。お父さん、行こ」とジーニィが今更のように言った。

結局は彼女が満足するまで家を出られない。



段々僕にはわからない世界が増えて行く。

彼女の手を取って階段を降りた。

いつもと同じ小さい手にほっとした。



Takaya


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