今日、食糧調達のためスーパーに行った。車で15分。
僕は何を買えば良いかなど到底記憶できないので、いつも買い物リストを持って行く。今日のは娘がどこかでもらってきたハート型のメモ用紙。
スーパーに足を踏み入れて、さあ買い物、とコートのポケットに手を入れた。
ない。
家を出る時に確かにポケットに入れたメモ用紙がない。
いつもはコートの右ポケットに入れておくのだが、ひょっとしたらと思い左のポケットも探る。
ない。
ズボンのポケットも探した。前の左右に後の左右、四つとも。
どこにもない。
家に置いてきたに違いない。
「あ~、くそったれ!」と本当に声に出して悔しがった。
仕方がないので、記憶を手繰りながら買い物をした。
スーパーを出て、停めてある車に向かった。
ない。車がない。
ああ、そうだ。次の列だった。うっかりしてた。
車と車の間のスペースをすり抜けた。
あれ?ここにもない。
手の中にあるキーのボタンを押すと、もう一つ向こうの列で車が一台プップと答えた。
「あんさん、大丈夫だっか?」と言ってるようだ。
実は、こんな事はしょっちゅう。
この2,3年、もともと悪かった記憶力が更に悪化している。アルツハイマー発病まであと何年だろう、と真剣に怖れている。
やっと辿り着いた車の中に身を滑り込ませた。
ふと助手席を見ると、
あ。
上体を折って、クローズアップ。
どうしてここに?
家に忘れてきたんじゃなかったんだ。
確か、ここに車を停めてから、サングラスを外して助手席の上に置いたはず。どうしてこのメモが目に入らなかったんだろう?
薄暗い屋根付き駐車上の中で、思わず自分の症状の深刻さについて考えてしまった。だって僕は、
1.家からメモを持って車の中まで来た事を忘れた
2.助手席にメモを置いた事を忘れた
3.スーパーの駐車場でサングラスをメモ用紙の上に置いたのにメモを見た記憶がない
4.A地点に車を置いたと記憶違いをした。
5.実はB地点に車を置いていたと二重の記憶違いをした
このようにわずか1時間の間に数々の記憶間違いを犯している。
本当に恐ろしい。
こんな風に分析してしまい、更に恐ろしくなった。
もう、早く寝よう。
夜中に寝ぼけてトイレの場所を忘れ、子供のベッドの上に小便を垂れてしまいそうな気がしてきた。
じゃあ、おやすみなさい。
Takaya
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ん?何の恩だったっけ?
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