日曜日にリオがお小遣いでヒ―リーズを買いたいと言いだした。
Heelysとはスニーカーのかかとの部分にローラーが埋め込んであり、それを履くと靴を履いたままローラースケートを楽しめるという代物だ。
2,3年前に主に小学生男子の間で大ヒットした商品だが、今ではすっかり下火になった。今年に入ってから一度も見ていないし、去年のクリスマス商戦であちこちの店に買い物に行った時に見て、「ああ、久しぶりに見た」と思った記憶がある。
リオは1年以上前に買ってもらったヒ―リーズが、もう小さくて入らないから、新しいのと買い換えたいと言う。
近所のスポーツ用品店に二人で行くと、店の隅っこに40足くらいのヒ―リーズが埃をかぶって積み上げられていた。値段は、一番安いので50ドル程度、高いのは100ドル近くする。こんなすたれた商品を定価で買うのは馬鹿である。
「eBay(イーベイ、こちらのオークションサイト最大手)で買ったら安いから、そうしたら?」と言ったが、
「自分のお金だから、いいでしょ?」とリオ。
子供達には去年の9月からお小遣いを上げていた。クリスマスと2月の誕生日に副収入があったので、100ドル以上持っているらしい。
「ほんなら、そうしいな」と、私はそれ以上逆らわなかった。
リオは90ドルのヒ―リーズを選んだ。
レジに行く途中、ふと箱を見ると、小さい値札が貼ってあるのに気がついた。
「おおっ、60ドルになってる」とリオに報告すると、
「やった~!ほら、eBayで買わなくてよかったでしょ」とリオが自慢げに言った。
レジで店の人がバーコードをスキャンすると、
「これはセール商品だから、25ドルになります」
「おおおおお~!」
リオはもう笑いが止まらない。
「やったなぁ、リオ。こういうのを、棚から牡丹餅っちゅうんや。覚えとけ」と、すかさず私は日本語教育を行う。
「えっ?カラカラボタッチ?」
「ちゃう。たなからぼたもち、や」
「えっ?田中ら豚餅屋?」
「もう、ええ。要するにもうかったんや」
これ以上リオの感激に水をさすのも無粋である。
「うん、えらいもうかったね」
リオはスキップしながら店を出た。
早速、家で試運転。
まずは、ヘラみたいな付属工具でかかと部分のキャップをはずす。
これがローラー。ベアリングもしっかりしていて、スムーズに回転する。
家の前で滑るリオ。両足のつま先部分を浮かせるのが慣れるまで難しい。最初はリオもよくこけていた。
この商品が大ヒットしていたころ、学校中で子供達が廊下をス~~~っとお化けのように滑っていた。こけたり、人とぶつかったりする事故が頻発した。また、ローラーが床にタイヤ跡を残すのもいけなかった。学校で禁止されてから、徐々にブームは去って行った。
こういう新しいスポーツ用品が出ると、必ずそのプロという人達が出てくる。デモビデオで颯爽と色んな技を披露していた彼らプロ達は、今何をしているのだろう?
Takaya
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