昨日、妻のベッツィーは双子と共にブルックリン(車で小一時間)に住む友人家族に会いに行く事になっていた。11時に家を出ると言っていたが、僕が11時半にテニスから帰って来るとまだバスルームで化粧をしていた。
「あれ、まだいてんの?」と何気なく言うと、
「わざわざ指摘してくれてありがとう」と皮肉を返す。
ご機嫌ななめである。
ベッツィーは時間通りに家を出れない人である。
その宿命を素直に受け入れ、落ち着いて遅刻をすればそれで良いのに、宿命に逆らい急ごうとするからフラストレーションが溜まる。
もちろん、僕はそんな事など口にしない。
12時になって、やっとベッツィーの用意ができた。
「ジーニィ、リオ、行くわよ。靴、履いて」
二人は部屋を駆け回っている。
リオが赤い毛布でくるんだ箱のようなものを引っ張り回し、その後をジーニィが追いかけている。いや、どうも伴走しているようだ。
「アニマルレスキュー、病院に向かって急げ!」と彼女がマイクを口に当てる振りをして叫んでいる。
予想通り、ベッツィーの脳天から湯気が立ち上る。
「ジーニィ!リオ!行くわよ!」
彼女は「もう連れて行かないわよ」と言えないのが気に食わない。というのは、昨日の夜、子供達は、
「え~、行きたくな~い」と文句を言っていたから。
しかし、ベッツィーはもう子供達を一緒に遊ばせる約束をしたので、連れて行くしかない。友人の子供達もジーニィとリオの訪問を期待している。
ジーニィとリオは相変わらずキャッキャ、キャッキャとレスキューごっこで盛り上がっている。
「ジーニィ!
リオ!」
とベッツィーが怒鳴った。眉間の皺が恐ろしい。
「マミィ、ごめ~ん」と言いながら、やっと二人はレスキューカーを手から離し、靴を履き始めた。
ベッツィーは「行って来ます」も言わずに家を出た。
急に家が静かになった。
床にはレスキュー途中で見捨てられた動物が転がっていた。
はい、今日はここまで。
日本の皆さん、おやすみなさい。
アメリカの皆さん、おはようございます。
じゃ。
Takaya
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