リオは野球が大好きだ。
幼稚園の時からリトルリーグに入っている。
リオの地区は、幼稚園(年長)リーグ、小学1年生リーグ、2年生リーグ、と学年に応じて独立したリーグがある。ルールもそれぞれ違い、試合は同じリーグ内でのみ行われる。3年生からは、小学校3年~5年のリーグに所属する。別称マイナーリーグ。そして、最後がメジャーリーグと呼ばれる小学校6年生用のリトルリーグだ。これは、ワールドシリーズもある本格的なリーグ。
リオは今、9才。小学3年生。
今日、近所の高校で選考会があった。
30分おきに数人の子供達が、今シーズン監督をすることになった大人達の前で攻・守・走の技術を披露する。
まずは、点呼。みんな、やや緊張の面持ち。
この後に一人遅れて入って来た。
8人のリトルリーガー達。
まずは、守備を見る。ゴロを3球、フライ3球。
リオの番。
足がよく動いている。良い感じだ。
宿題の時には決して見せない集中力。
5球ともノーミス。あと、1球だ。
フライボールが右側に逃げて行く。
ジャンプ!
ボールがグローブに当たって跳ねた。
痛恨の落球。
しっかりメモする監督達。
次は、ピッチング。
一番最初に呼ばれた子供が、剛速球をキャッチャーミットの中に投げ込む。
ストライクの連投。
「ナイスピッチ」と、監督達から称賛の声が上がる。
後から出てきた子供達が可哀そうだった。はっきり言って雲泥の差。でも、子供達は一生懸命頑張る。萎縮した雰囲気を察した監督達も、子供達に声援を送る。
リオの出番。
人口マウンドに登り、第1球。
暴投。壁を直撃!
第2球。大きく外れるボール。
第3球。入った、ストライク。
「ナイスピッチ」と声が上がった。
第4球もストライク。
調子が上がって来た。
最後の1球。
キャッチャーが構えたミットを横にずらした。
ボール。
でも、リオは満足そう。
三つ目は、バッティング。
リオの得意科目。
時間とスペースの制限があり、ティーの上に置いたボールを打つ。
リオのスイングには気迫がこもっていた。
打撃音の歯切れが良い。
与えられた5球、全てをバットの芯でとらえた。
網のカーテンをくぐって出てきた時に、僕の方をちらっと見た。
「うまく行ったよ」と言いたげに微笑んだ。
最後は、走力テスト。
体育館の縦方向に二つのコーンが置いてある。ダッシュをして遠い方のコーンでUターンして近い方のコーンまで戻り、そこで再度Uターンして、壁までダッシュ。
簡単なテストだが、子供の走力だけでなく、俊敏性、バランス感覚もよくわかる。遅い子供ほど足音がダダダダと重く、大きい。
リオは身が軽いので、こういうのは得意。
タタタタ。
軽快な足音が体育館にこだまする。
カメラが追い付かない。
あっと言う間にゴール。
「僕が一番速かった!」と、彼は自信たっぷりに言った。
テストは全て終わった。
リオは壁際に腰掛け、最後の子供が走り終わるのを待っている。
一瞬リオと目が合った。
一生懸命やった時の顔がそこにあった。
どうも読んでくれてありがとう。
またね。
Takaya
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