習志野市の議員定数、なぜ30人なのか、ということについてのブログ読者の投稿です。結構いい加減に決められているんですね。勉強になりました。皆さんもお読みください。

(ブログ読者投稿)

なぜ習志野市議会の定数は30人になっているのか

最初は、人口に応じた議員の定員40人の8がけ(40×0.8)で32人、と、かなり雑な決め方だった?

 市町村議会の議員定数には、地方自治法の適用があります。平成11年に改正されるまで、地方自治法第91条1項は人口に応じて定員を定めていました。但し、市町村がいわゆる減数条例を定めてこれを減らすことは可能、となっていました(法定定数制度)。習志野市は「人口15万以上20万未満の市 40人」という法定の定員に対して、議員定数条例(昭和30年条例第3号)でこれを減らし、32人と定めていました。ちょうど40人の8割としていたわけです。

平成10年に2名減らし、30名にした。定数から全国平均の減数率24%かける(40×(1-0.24)=30)と、今度も雑な決め方

 平成10年12月市議会ではさらにこれを30人に改め、翌平成11年の市議会議員選挙から適用することにしました。なぜ2人減だったのか。当時の議事録を読んでみると、こんな説明が述べられています。減数条例を制定している全国657市のうち、法定数36人(人口5万以上15万未満)となる304市、法定数40人(人口15万以上20万未満)となる33市、合計337市についてその議員数を合計したところ、法定数の合計は12,264人、実際の議員数は9,315人、条例による減数は2,949人であった。この2,949人は法定数合計12,264人に対し、24%である。習志野市の定数40人にこの全国の平均的な減数率24%を乗じてみたところ30人となった。なお、習志野市は法定数40人なのに、なぜ法定数36人の市も判断材料に入れたのかについては、習志野市は人口15万以上(平成2年国勢調査)になったものの、その後の人口増は見られず、実質的には法定数36人と40人の中間に位置すると考えたからだ、と説明されています。

 しかしこういった説明は牽強付会、実際のところは15万以上20万未満のデータだけでは、30人に結びつくような数字が出せなかったのでしょうね。

 もし337市のデータから習志野は30人にすべしという結果が得られたのなら、その後もこの337市の動向を収集して、31人にすべしとか29人にすべしとか、何かレポートがなければおかしいですよね。ところが定数を30人にしたら、あとは337市などどうでもよくなってしまった。この辺が、かなりインチキ臭い。

平成11年に「上限(この時の習志野市の上限は34人)の範囲内で自治体が勝手に決めて良い」ことになった

 また平成11年には、地方自治法第91条が改正されます。定員は法律で定めるのではなく、人口に応じて定めた上限の中で、各自治体が独自に条例で定めるものと改正されたのでした。習志野市は「人口10万人以上20万人未満の市 上限34人」という区分に該当しました。

 これを受けて、平成14年9月市議会では、従来の昭和30年条例第3号を廃止し、新たに定員を定める議員定数条例(平成14年条例第24号)を制定することになりましたが、人数は平成10年に決めたばかりの30人を維持することとしました。

この時、26人にすべき、28人にすべき、などの意見もでたが、そのまま30人に据え置かれた

 この平成14年9月市議会では、異論も出ています。国の定める上限が40人から34人に減った(15%減)のだから、習志野市の30人も15%減らして26人にすべきではないか。いや、旧自治法の40人に対して8割としていたのだから、34人の8割、28人がいいのではないか、といった意見が出たようです。しかし、議事録を見るとそれ以上の討論はなく、原案どおり30人として新条例が制定されました。

平成23年には上限が撤廃され、更に自治体が議員定数を勝手に決めて良いことになったが、習志野市では特に動きはなかった

平成23年には地方自治法がさらに改正され、人口に応じて定められていた上限(上に見た「人口10万人以上20万人未満の市 上限34人」)が撤廃されます。これで定数は完全に各議会が自ら定め、管理することが求められるようになりました。この時、習志野市では特に動きはなかったようです。

人数を30人のままにするにしろ、減らすにしろ、単なる直感やサジ下限でない、きちんとした論理が必要

 このような経緯で、いまだに定数30人となっています。因みに平成14年の人口はおよそ15.3万人、現在は17.5万人に増えています。これは、議員一人当り人口としては5,100人から5,834人に増大していることを意味します。

 習志野市が30人を維持するとしても、何人かに減らすにしても、単なる直感やサジ加減ではなく、きちんとした論理が必要でしょう。平成10年に全国的な平均減数率を用いたというのであれば、同じような計算ベースを維持すべきなのではないでしょうか(但し、上に見たように、現在では法定の上限を条例で減数するという概念自体なくなってしまったので、同じ数式を用いることは出来なくなっています)。

第三者委員会で定数改正の是非を継続的に調査し提言してもらう、などの工夫が必要

 また、そうした統計調査は息長く行う必要があります。例えば市議会議長の諮問機関として定数調査委員会といったものを置き、中立な第三者委員に入ってもらって、定数改正の必要があるかどうか、改正するとしたら何人が適正なのか、継続的に調査し提言してもらう、といった工夫も必要なのではないでしょうか。

法定定数制度:あえて減数条例を作らなければ法律どおりの定数になる

上限法定制度:法律の定める上限の範囲で、条例で定める。従前、減数条例がなかった市町村は新規条例が必要になった。

平成23年改正:各自治体が自分の判断で定数を定め、条例化する

平成23年自治法改正で上限が撤廃され、自治体が議員定数を勝手に決めて良いことになった。でもその時、習志野市議会は先行きどうすべきだろうと考える人が誰もいなかった

平成23年改正までは、次のような上限が定められていました。

平成23年改正でこの上限が撤廃され、単に「市町村の議会の議員の定数は、条例で定める」(91条)と規定されるようになったのですが、これは改正後も上の上限があるものとして考えることまで禁じる趣旨ではないでしょう。各市町村議会が条例で定めるに当って、引き続き上の区分と上限を参考にすることは許されるはずです。

そこで、習志野市が関係ある、人口10万~20万未満の中を、もう少し細かく階段を切ってみましょう。するとこうなります。

自治法はやはり、人口が増えれば議員が増えるのは仕方ないだろう、と考えているわけです。今回の国政選挙における10増10減も、人口が減った地方は代議士を減らし、人口が増えた地域は増やそう、千葉14区を新設しよう、としているわけですね。

習志野市は人口17万5千人までは30人で据え置き、17万5千人以上になったら一人増やして31人にしてもかまわない(増やさなければいけない、ではありませんよ)。そこで、17万5千人以上になっても30人で据え置いて頑張っているのだ、行政コスト抑制に努めているのだ、という形に落ち着かせることもできるわけです(改正不要論)。

いや、据え置きではなく、29人、28人と減らしたいのだ、という議論をするには、人口が増えても議員を増やす必要はないという、別の理論武装が必要になってくるはずです。削減した市町村がどういう理屈づけで削減したのか、もっと情報収集と研究が必要ですね。

 ともあれ、平成23年の自治法改正を受けて、習志野市議会は先行きどうすべきだろうと考える人が誰もいなかった、というのは怠慢でした。これからは各市町村が自分で考えろ、と言われたわけですから、仮に据え置くにしても何か考えなければならなかった。その形跡がないまま今回の陳情・請願に至り、ワケのわからない結論でお茶を濁してしまった、ということでしょうね。

 

 

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