「スベスベマンジュウガニ、って

 知ってる?」

(はらぺこくんの手をすりすりしながら)

 

「知らない。」

 

「わたしも名前しか知らない。

 でも、きっと

 はらぺこくんの手って

 スベスベマンジュウガニっぽいと

 思うんだよね。

 見たことないけど」

 

「笑

 ただ、プクプクしてるだけと思うけど😊」

 

*************

 

「はらぺこくんの耳の後ろ

 いい匂い!」

(鼻をつけてかぎながら)

 

「かっぱさんがクンクンするから

 よく洗ってるんだ。」

 

「うん!いい匂いがするよ。」

 

「ただの加齢臭だと思うけど😊」

 

*************

 

「マスクしちゃダメ。

 はらぺこくんの顔が

 塩っ辛くなっちゃう。」

(マスクを引き下ろす)

 

 

「塩っ辛いって・・・💦」

 

「はらぺこくんは

 顔の下半分のほうに

 甘み成分が詰まっているんだよ。

 このへんとか、このへんとか」

 

 

「それって

 ほっぺやあごが

 ぷにぷにしてるだけだと思うけど 😊」

 

*************

 

「こんなに、はらぺこくんのことが

 なんでも好きって言う人

 後にも先にもいないでしょ?」

 

「むふー😊

 いつもいるよ、そういう人」

 

ポカ!!😠

 (頭をこづいた音)

「いたっ!」

 

 

「ああ、でも、どうしよう!

 だんだん、

 ただの加齢臭で

 ただのぷくぷくしたおじさんとしか

 思えなくなっちゃったら

 どうしようーーー?!」

(頭をかかえて、足をジタバタさせる)

 

 

「いいんじゃない?

 ただのおじさんで

 いいじゃない。

 そうなってからも。」

(ふふっとほほ笑んで)

 

 

「そっか。

 うん!!そうだね。

 ただのおじさん、

 いいーーー!!✨」

 

 

コメダのボックス席に

ふたりで、ぎゅっと並んで座っている

ただのおじさんと

ただのおばさんでした。

 

 

スベスベマンジュウガニは、

ほんとにすべすべしてそう!

 

(おしまい)