わたしの手が
シーツの上を
クモみたいに、さまようと
はらぺこくんの手が
それを捕らえる。
温かくてふっくら、肉厚な手。
ぎゅっと
わたしの親指を握って
つつみこむ。
さまよっていたわたしの手は
安堵する。
ああ、この手に
ゆだねればいいんだな。
力が抜けて
ただ、身を任せる。
まるで親に抱っこされた
子どものように
はらぺこくんの手の中で
安心しきる、わたしの手。
女にとって
それは
手術や歯医者さんに
すこし似ている気がする。
体を開いて
自分の身に起こることを受け止める。
大抵は、もう予測のつくことだけど
何度、経験したことでも
どこか
どうなるかわからない
という、未知への緊張がつきまとう。
だからかな
はらぺこくんが手を握ってくれるのは。
お医者さんやジェットコースターに乗るとき
親が手が握ってくれてるみたいに
だいじょうぶ
なにがあってもだいじょうぶ
そう言っている気がする。
わたしが、怖くなったり
苦しくなったりして
手が暴れ出そうとすると
はらぺこくんの手が
ぎゅうっと力をこめて握りしめてくれる。
たしかな手。
それがあるから
わたしは、思いっきり飛ぶことができる。
未知の冒険を、今日もくぐり抜けることができる。
*********
こんな男の人、今までいなかったなぁ、
って思う。
行為の最中に手を握る、
というのは、時々聞くけれども。
はらぺこくんがすごいと思うのは
それが、定型ではないところだと思う。
わたしが、望んだときに
ぴたっとその手は、やってくる。
でも、求めてないときにも
その手は、やってくることがある。
包まれてみて、
ああ、わたしは今、これが欲しかったんだ、
と気づかされる。
主体と客体が、いつも曖昧であること。
それが、はらぺこくんが
稀有な人である、ひとつの理由だと思う。
彼は、積極的に
いろんな女の人を求めるタイプではないけれど
もしも、チャンスが与えられたならば
ちゃんとそれを受け取る男だと思う。
いい意味で好色😊
ふだんは理性が勝ってるけど
いざというときは、本能を優先できる人。
きっと
他の女の人にも、優しくするに違いない。
愛があろうが、なかろうが
なかなか身勝手になれない人だから。
でも、手を握るのだけは
なんか、イヤ。
もしも、あれを
他の女性にも、やったとしたら
あなたとは、もうおしまいよ!
と、言いたくなるような気がする。
まったく、なんにも
してないのに
わたしのこんな妄想の中で
ひどく叱られるはらぺこくん😊
楽しい妄想だった♪♪
(おしまい)