最近、あまりブログで本について書いていなかったが、
この本はあまりにも心に突き刺さってきた。
直木賞をとった作品の中には、個人的にそりの合わない
作品も多く、「何でこの作品が?」と感じてしまう年も
あるのだが、今回は違った。各章を寝る前に読み進めて
いたが、その都度色々と考えさせられる内容で、眠気を
吹き飛ばしてくれることが多かった。
謝辞で、作者はこの作品を仕上げるのに12年かかった
と言っているが、その長い創作期間が必要だったことが
ひしひしと伝わってくる大作だ。
脳裏に残って離れそうもない箇所を一つ。
一人の登場人物が「悼む人」に向かって言う言葉。
「おまえを<悼む人>にしたものは、この世界にあふれる、
死者を忘れ去っていくことへの罪悪感だ。愛する者の
死が、差別されたり、忘れられたりすることへの怒りだ。
そして、いつかは自分もどうでもいい死者として扱われて
しまうのかという恐れだ。世界に満ちているこうした負の
感情の集積が、はちきれんばかりになって、或る者を、
つまりおまえを、<悼む人>にした。」
<悼む人>の出現を通して考えさせられる死。
非常に重い・重い作品だ。人生のいくつかの通過点で
また読みたくなるであろう作品だ。
