2008年1月から東京JC「次世代の東京創造会議」にて取り組んできた提言書の作成が先週終わりました。提言書の中には、僕らのチームが取り組んだストーリー編も含まれています。


理想の東京がどのような都市なのか、それをストーリーの中で考えることにした理由は、難しい話が並んでしまうと広く多くの人が読むことができないと思ったからです。少しでも多くの人に読んでもらえるように…、理想の都市東京のことを考えてもらえるように…、という想いで創りました。


提言書は、ストーリー編に始まり、解説編、方策編と続きます。多くの人の情熱が注がれた素晴らしいものです。

この『近未来Tokyo見聞録』のテーマでは、僕らのチームが取り組んだストーリー編を順次掲載させていただきますね。解説編、方策編も読んでみたい!という方は個別にご連絡くださいね。


この提言書作成において素晴らしいリーダーシップを発揮し、情熱を注がれたS副議長(優秀な弁護士さん)に敬意を表します。お蔭で夢広がる最高の時間を過ごすことができました。ありがとうございました!



ここからは提言書からの抜粋(ストーリー編)です。




近未来TOKYO見聞録


~物語で読む新東京オリンピック後の東京~



reon’s world-近未来Tokyo見聞録

2008年度 社団法人東京青年会議所

次世代の東京創造会議



  私たちJC世代(25歳から40歳)が子供のころ、未来とは、「21世紀」のことであり、「21世紀」は、科学技術が発達し皆が経済的に恵まれた「明るい豊かな社会」であると、誰もが信じていた。学校の授業などで、21世紀の予想図を絵に描いて友達と見せ合い、楽しい未来に夢を膨らませた記憶をお持ちの方も多いのではないかと思う。
 

では、現在(2008年)から見て、私たちは、未来についてどのようなことを思い浮かべるであろうか。昨今の暗い世相を考えると、未来のことなど考えることに対し、積極的な気持ちになれない方もおられるであろう。しかし、私たちが住む東京をより良い都市にしていくためには、あえて童心に帰り、楽しみながら、「東京がこんな都市だったらいいな」と思いを巡らせてみることも大切ではないかと考える。そんな考えから、次世代の東京創造会議では、近未来であり、かつ招致を目指している東京オリンピック(2016年)を経た後の「202X年の東京」を想像して、物語を書いてみることにした。
 

 ところで、東京は、私たちが住む都市であると同時に、日本全国各地から人々が集まってくる都市であり、また、世界各国から外国人の方々も多くやっている都市である。私たち住人の視点だけではなく、「外から見た東京」という視点も重要だ。

 そこで、私たちが書く物語の主人公は、架空の国「トンガニア共和国」出身の外国人とし、その視点から見た「202X年の東京」の姿を描くという方法をとった。主人公は、私たちと同じJC世代の男性で、ビジネスチャンスを掴むため、東京にやって来たという設定である。



では、まずはともあれ、物語をお楽しみいただきたい。





【プロローグ】


この物語の主人公の名はゴンザレス。今年(202X年)の秋、東の方にあるトンガニア共和国(架空の国)から初めて東京にやって来た独身男性である。


彼は、もともと母国でプログラマーとして働いていたが、ステップアップのために退職。自分で開発した独自のプログラムを商材に独立起業を目指している。ビジネスチャンスを確かめるため、前から関心のあった東京にやって来たというわけだ。


東京にやってきて一週間。彼はひょんなことから住むことになった、とある下町にある“アラキ荘”に今日も帰ってきた。その“ひょんなこと”については、後に語ることにする。


築約60年。20世紀に開かれた最初の東京オリンピックのころ築造されたというこの建物は、木造家屋の限界をすでに突破し、文化財クラスの耐久年数に挑戦し始めている。だが、住人の誰が帰ってきたのかすぐわかる外階段のきしみや、ドタンバタンというドアの開閉音は、絶妙のセキュリティ対策となっていて、彼はこの建物をすこぶる気に入っていた。


ゴンザレスが殊に気に入っているのが畳ばりの寝室だ。夜、畳のうえで、本に書いてあったとおりに我流の“正座”をしているだけで、一端のニッポンジンになったような、うれしい気分になってくる。 「ブシドー、奥が深いでス」
彼は、今日も、そう日本語で呟いてから、愛用のノートPCをたち上げた。そして、来日以来やみつきになったインスタント味噌汁をコーヒー代わりにすすりながら、祖国で暮らす唯一人の妹ケイトに宛て、いつものように、メールを打ち始めるのだった。



『ケイト、今日は日本の中学校に行ってきたよ… 』



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