『グランドシャトー』を読んで、随分昔のことを思い出した。
もう20年以上前のこと。
あの頃は、社会の中でうまく生きていけなくて、居場所を求めて夜の世界に身を置いていた。
お酒を飲んで、タバコを吸って、朝まで騒いで、そうしていれば、そこに自分の居場所があるような気がした。
でも、本当はただただ精一杯背伸びをしていただけで、本当に安らげる居場所なんてなかった。
息子が生まれて、小さな体でスヤスヤ眠る姿を見た時、この子にだけは私と同じ生きづらさは味わってほしくないと強く願った。
あれから17年経って、今息子はまっすぐ育ってくれている。
生きづらさを抱えて、20代、30代で壊れてしまう人たちもたくさん見てきたから、もうこれで安心とはさすがに思えないけど・・・。
でも今、10代らしく、いろんなことに悩んだり、迷ったりしながらもまっすぐ生きている息子を見ると、本当に良かったと思う。
私は、自分なりのこだわりというか、意地があって、「生まれてきた良かった」とは絶対思わないようにしている。
そう思ってしまったら、あの頃つらかったことも、おぞましい記憶も、全て肯定してしまうような気がするから。
でも、「生まれてきて良かった」とは思わなくても、「今が幸せ」だといつも思っている。
「今が幸せ」だと思うようになってもう10年以上が経つ。
大切な友だちや仲間がたくさんいる。
仕事では、私の生活や体調をいつも気遣ってもらっている。
愛する家族がいる。
安心安全な家がある。
時々、今なんで関東にいるのかとは思うけど(笑)、人生は予想もしないことが起こるから面白いと思える。
そんな心のゆとりを持てるようになった。
グランドシャトーを読んで、夜の仕事のこととか、あの頃出会ったたくさんの生きづらさを抱えた仲間たちとか、今頃みんなどうしてるのかなとか、人との絆とか、本当にいろんなことを思い出した。
今が幸せ、そう思えるのもたくさんの人との絆があればこそ。
読み終わって今の生活への愛おしさが一層増した。
それにしても、思ってたより長い本で、外出自粛の今じゃなきゃ絶対読めなかったわー。
読了出来てよかった^^;
『グランドシャトー』
