写真はとりあえず、出来た。

 

しかし浮かない顔の人がひとり。

ムスメだ。

 

アプリ駆使してフィルター使いまくってお気に入りの一枚をすぐ作れる世代なのだ。

 

下からあおられたブッサイクな写真。すぐ削除できるSNSとはわけが違う。5年もこのお顔とお付き合いせんといかんのやで。

 

ま、ムスメの心中、お察しいたしますと、そんな感じ。

 

涙目で言う。

「お金自分で出すから、撮り直したい」と。

 

そんなにイヤなんかいな。ニヤニヤ

 

聞くと、以前タイに住んでいた時にもパスポートの更新をしたのだが、そこでも規定通りのサイズは出来上がらず、しゃぁなしに領事館へ行くと、これで大丈夫と言われた。しかし、結果、パスポートに、ドーンとムスメの顔だけが埋め込まれた迫力満点のモンが出来上がってしまった。その力強さ、松方弘樹が「マグロ!」と言う時の勢いに匹敵する。

 

それをムスメは心底嫌だった、と。

 

 

しかし、またあのオバハンの店に戻るのはもう勘弁。この日のうちにダウンタウンへ出て領事館へ行く予定にしていたので、とにかくダウンタウンへ出た。

 

幸い、領事館の同じ建物の1階に同じドラッグストアが入っていたので、まず、様子を見ることにした。

 

大事なのは、店員さんの年齢と身長だ。

そして、コンピューターに強く、穏やかに話ができそうかどうか。家族4人、陳列棚からそっと覗く。若い。背、エエ感じ。行こ。

即決

 

ムスメ、テンション上がる。

パスポート用の写真をお願いすると、同じ銀色のデジカメを出してきて、また白い柱のところへ案内された。都会と言えどもカメラの質、背景は柱、っちゅうのは変わらずか。

 

1枚撮り、彼女はムスメに見せる。

「これでいい?いやなら何回も撮り直すから遠慮しないでね」と。

 

我が家にこぼれる笑み。

アンタ、最高やな。

 

「コンピューターに日本サイズはないけど」と言われたので、UKと同じだと伝えた。お馴染みの白いガイドラインのついた画面が現れる。何も言わずとも、アゴから頭のてっぺんを一発ではめ込む彼女。

 

秀逸すぎて涙でそう。

 

こうして怒りも苛立ちも怒号も飛び交わず、あっという間に写真が出来上がった。

 

 

なんやったんや、今日の午前中のあの出来事は・・・とふとオバハンの顔がよぎる。しかし、今のこの感動と喜びは、あのオバハンとのバトルあってのこと。

 

 

なんやろう・・・

国を挙げてツンデレでもやってんのかな。

 

 

ちゃうか。

 

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