胆嚢摘出手術をした後は、「姫」のように過ごせ、だそう。


出来るだけ安静に。

重いものなど絶対持たないように。

ただ、運動としてはできるだけ、いっぱい歩け。の教えの通り過ごしていた。


帰米の日。

空港カウンターでチェックインをしていた。

スーツケースは大小合わせて4つ。

カートから、カウンター横のベルトコンベアのところに乗せる時

子供たちが、重すぎる―と言いながら必死にのせようとしている。


私、当たり前だが教えの通り、指一本触れない。

視線を感じる。カウンターから。

その日そのカウンター担当の若い男性は、私を、このオカン、なんで何にも手伝わんねん・・・と思ったに違いない。


到着したオヘア空港で荷物を待っていた時。

白人が周りにおらず、完全日本人ビジネスマンだらけ。

あー、これは手伝ってもらえない、と悟った。


娘がスーツケースを下しているところ、運悪く一番重いのが息子の前に来た。

息子、必死。

アカン、アカンと小さく声を漏らしながら、左、左へ流されていく。

そのままターンテーブルに乗っかって吸い込まれるんとちゃうか・・・


周りのビジネスマン、このオカン、なんやねん、という表情。


ほな、すまんが、手伝ってくれー!!

どう考えても、横にオカンがいて、手を出さんって、なんか理由あるに決まっとる。

ほな何か?わし、あちこちで、胆のう、取り出したばっかりで、と言わなアカンのか・・・。


もう息子が荷物扱いになる直前に、とうとう重いスーツケースをひっぱり上げてもうた。傷周りの筋肉がピキーンとつる。


あーあ、やってもうた・・・。




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