「この原作で救われました」
と舞台挨拶で語ったのは脚本、監督をつとめた首藤凛監督。
好きな人の好きなものを取る、
好きな人の好きなものを奪う、
この言い回しの方が本来のテーマに沿っているかもしれない
綿谷りささんの原作を映画化した
『ひらいて』は10/22に公開されます。
山田杏奈さん扮するクラスの人気者・愛が片想いしているのは
作間龍斗さん演じるたとえ。
けれど彼には秘密の恋人がいて、それは芋生悠さん演じる同級生の美雪。
それを知った愛は美雪の全てを手に入れようとするのです。
ねじれた恋の形というセンセーショナルな物語は
俳優たちの演技と相まってラストまで惹きつけられ、しばらく脳から離れないものでした。
これは私が当時、カウンセリングの場で出会った
あるケースに少し近い部分があるので
秘密厳守もあり、話を混ぜて脚色して綴ります。
彼女は、一見、大人しそうなのに
恋愛面は異性に体を許しやすく
ある時、同性とも経験をしたというのです。
けれどそれは性的嗜好でも同性愛でもなく、
好きな人と好きなものを共有したいという思いからでした。
どう考えても遊び人の男と付き合っているのですが、
彼女は彼と離れたくなくて
ある時、彼から女同士の関係を見たいと言われたそうです。
彼女は彼とその女性を共有していると言っていました。
映画とはズレるのですが
果たして共有されているのは誰なのか。
ただ人は、好きな人が好きなものを好きになろうとする心理があります。
好きな人を真似たり、好きな人が好むものを好きになることで
好きな人に近付いた気持ちになったり
自分のコンプレックスを隠すことが出来たりするんですが
これを「同一化」と言います。
実は「同一化」って無意識に誰もが人生で経験している行動。
小さい子供が母親のものを欲しがったり
メイクの真似をしたりするのを見たことはありませんか?
そんな人間の秘めたる感情を掘り下げた作品が
『ひらいて』
あの時の彼女は今どうしているんだろうか。
ふと、思い出しました。

