わ芝居〜その参「サヨウナラバ」を観劇しました。

作・演出は、わかぎゑふさん。


初演はコロナ禍真っ只中の2022年。

今回は、さまざまな思いが込められた再演です。


この作品は、芝居×狂言という演劇表現探究型文化交流の試み。

大阪・山本能楽堂では芝居の役者が、東京・ザ・スズナリでは狂言師が舞台に立ちます。


今回、私は大阪千穐楽のお芝居バージョンを観劇しました。

初めて訪れた山本能楽堂は、どの角度からも舞台が見やすく、椅子の座り心地もよく、床暖房まで完備。快適に観劇できました。



わかぎゑふさんの、少し昔の日本を舞台にした作品がとても好きです。

一人ひとりが丁寧に描かれ、深みと厚みのある舞台。

どの登場人物にも物語があり、一人ひとりが主役のように感じます。


そして、今の時代よりも、昔の方が「人の機微がわかる大人」が多かったようにも思えます。


今回の舞台は昭和3年の大阪が舞台。

今とは時代背景がまったく違うものの、市井の人々の波瀾万丈の人生模様に引き込まれました。


「サヨウナラバ」……『それやったらまぁいいか』

あえて白黒つけず、清濁合わせて大きく受け止め、

柔軟に対応する。

それは、たくましい処世術であり、思いやりでもあるのかもしれません。


何もかも白か黒、0か1かではなく、

グレーがあってもいいし、

1.5でも、1.2でもいい。


そんなふうに、少し余白をもたせることで、関係がスムーズになったり、気持ちが楽になったりすることもありますよね。


私自身、昔は「ちゃんと決めなければ」「はっきりさせなければ」と思っていたことも、今は「みんながうまく収まるなら、それも悪くないかも」と思えるようになりました。

立場や事情がわかると余計にそんな気持ちになります。


相手を尊重しながら、ほどよいバランスを見つけることも、ポジティブコミュニケーションのひとつの形かもしれませんね。


観劇後、

じんわりと心に染みわたる作品でした。

狂言バージョンも観たかった……!


これから東京公演もあります。

東京の皆さま、ぜひ芝居バージョンと狂言バージョン、両方の魅力を味わってみてください。


東京公演|ザ・スズナリ

3月15日(土)~20日(木・祝)