なぜ、私がコミュニケーションについて伝えたいのか、今日はその話をします。
私は、以前、関西テレビで18年間アナウンサーとして仕事をしていました。その経験から、「話し方や伝え方を教えたらどう?」とアドバイスを受けることもあります。
もちろん、これからお伝えしていく「3つのコミュニケーション」には、アナウンサーとしての経験を活かした話し方や伝え方のポイントも含まれています。
しかし、私が最も大切だと考えているのは、自分とのコミュニケーション、そして相手とのコミュニケーションです。
これは、アナウンサー時代に児童虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス)の取材をした経験と深く関係しています。家庭という本来は安心・安全であるはずの場所で、継続的に暴力や虐待が起こる背景には、コミュニケーションの問題も潜んでいると感じるからです。
取材していた1990年代後半は、DVは理解されにくく、解決は非常に難しいものでした。
まず、DVの実態を知ってもらうために、日本やアメリカでDV被害者の取材を試みました。カメラの前で勇気を持ってDVの苦しみを語ってくださった女性たちも数多くいました。
「私さえ我慢したら、きっと変わってくれると思っててました」「子どもには父親だから」と耐えている間に、徐々に暴力がエスカレート。また、暴力が怖くて、思ってることを相手に伝えられなくなってしまうのです。”蛇に睨まれたカエル”のような感じです。そして、徐々に暴力から逃れるのを諦めてしまうこともあります。(学習性無力感と言われる心理状態)
一方で、加害者の取材もしましたが、「なんでわかってくれないんだ」「わからないのが悪い」と思いながら、暴力を振るう人もいました。また加害者は外面がよく、家庭の中だけで変わるのです。
DVが深刻化するほど、支援のハードルは高くなり、被害者がその状況から抜け出すのは時間がかかります。被害を受けた後のサポートは非常に大切です。2001年にようやくDV防止法(配偶者暴力防止法)が制定され、相談機関も設置されるなど、社会の支援対策は整ってきましたが、まだまだ多くの女性が苦しんでいるのが現状はかわりません。
また、長期にわたるDVを受けた女性たちは、自己肯定感が著しく低下し、DVから逃れた後も心身ともに後遺症に悩むことが多いのです。私は「このような状況になる前に何か防止策はないだろうか?」と考えました。
その答えの一つが、コミュニケーションです。家族や友人、職場など、日常生活の中でお互いを尊重し合い、誰もが心地よくコミュニケーションを取れる環境が整えば、安心して暮らせる社会が実現できるはずです。それは、暴力の連鎖を防ぐことにも繋がります。
マザー・テレサの言葉に「戦争反対の集会には行きません。平和の集会ならば参加します」とあります。この言葉を聞いたとき、私は深く心を打たれました。
もちろんDV被害者支援も重要です。
しかし、そもそもDVのない社会にするには、
日常的により良いコミュニケーションを身につけ、誰もが安心・安全に暮らせる社会を目指すことが、重要ではないかと思っています。
だからこそ、私はコミュニケーションの大切さを伝える仕事に意味を感じています。
一人ひとりが心地よく、いきいきと暮らせる社会を目指して❣️
自分を大切にすること、周りの人との心地よい関係を築くこと、小さなことから幸せは広がっていまきます。
