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先日Twitterで数ヶ月前の柔軟剤のツイートが沢山リツイートされていまして、
どうやらちょっと前に話題になった「ペットが柔軟剤や香水の匂いで体調不良になる」という内容のツイートに紐付けて下さった方がいらっしゃったからのようでした。
かずのすけ@kazunosuke13
『柔軟剤』の主成分は肌に刺激の強い陽イオン界面活性剤です。ある意味衣類より気をつけて欲しいのは【フェイスタオル】や【バスタオル】で、濡れた肌を柔軟剤が染み込んだタオルで拭くと水に溶けた柔軟剤成分がお肌に付着することに。敏感肌だとそ… https://t.co/sXWPF8qS4f
2018年02月25日 16:28
香料については記事の最後に貼っている動画で関連のお話をしているのでそちらもご確認頂きたいのですが、
今日は柔軟剤ネタでちょっと思い出した内容をまとめておきます。
それはタイトルにもありますように、
除菌ウェットティッシュは「ノンアルコール」にこだわるべきか?
という内容です!
「え??柔軟剤からなんで除菌ウェットティッシュ??」
となる方も多いかと思いますが、
実は柔軟剤と除菌ウェットティッシュには意外な関連性があるのです…。
今日はあんまり見る機会が少ない「ウェットティッシュの成分」についてコラムを書いていきます!
◎除菌ウェットティッシュはどういう成分でできているのか?
本日薬局にていくつか除菌ウェットティッシュを購入してきました!(上の写真)
ウェットティッシュは化粧品ではなくて「衛生用品」というもので、正確には『ウェットワイパー類』というそう。
身体などを拭く用途で使用するウェットワイパーがウェットティッシュというみたいですね。
詳しい定義などは以下の日本衛生材料工業連合会のHPに書いてあります!
なので厳密には化粧品とは違うため、成分表なども化粧品のそれと同じように記載されているとは限りません。
ただし、衛生用品類はほとんどの場合上記の組織の『自主基準』に従っており、
さらにこの自主基準には「ウェットティッシュ類は全成分表(化粧品と同じ)を表示すること」と定められています。(詳しくはこちらを参照)
なので
背面の成分表示を見れば化粧品と同じように成分を確認することができます!
どんな感じになっているのか、
とりあえずこちらの『シルコット』さんで確認してみましょう。
こちらの後ろを見ると、
↑こんな感じで先ほどの「日本衛生材料工業連合会自主基準」に従った表示がありますね!
成分を書き出してみます。
水、フェノキシエタノール、PG、BG、PEG-60水添ヒマシ油、EDTA-2Na、セチルピリジニウムクロリド、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、チャ葉エキス
シルコットの「ノンアルコール除菌ウェットティッシュ」さんの成分はこんな感じ。
また、シルコットには他のタイプで「アルコールタイプ」というのがあります。
この成分を確認するとこう↓。
水、エタノール、ポリアミノプロピルグアニド、ベンザルコニウムクロリド、PEG-40水添ヒマシ油
結構成分数が少ないですね…!
しかしどうでしょうか?皆さんあまり聞き覚えのない成分が多かったのではないでしょうか…。
「ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル」とか、「セチルピリジニウムクロリド」とか、
あんまり化粧品の主成分では見ることのない成分が配合されています。
これは一体どういう成分なのでしょうか?
◎ウェットティッシュの成分には「防腐剤」「抗菌剤」「殺菌剤」などが多めに配合されている
当たり前といえばそうですが、
除菌ウェットティッシュなのでばい菌を退治できなければなりません。
そのために配合されているのが
- 防腐剤(パラベン類/フェノキシエタノール/ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルなど)
- 抗菌剤(イソプロピルメチルフェノールなど)
- 殺菌剤(サリチル酸/ベンザルコニウムクロリド/セチルピリジニウムクロリドなど)
- 高濃度のエタノール(消毒効果がある)
などの成分です。
「防腐剤」はご存じの通りだと思いますが、
化粧品などが腐らないようにするために配合されている成分です。
これはどういうメカニズムかというと、
『菌などの微生物にとって活動を阻害される成分』を配合することでこの効果にしているので、
菌の繁殖を抑制する「抗菌剤」も、菌を殺してしまう「殺菌剤」も、
広い意味で言えば全て防腐剤として利用できます。
(実際ここの成分は全て化粧品基準の防腐剤リストに記載されています。)
ちなみに『除菌』というのは定義的には「拭き取ることで菌類を除去すること」なので、
(つまり菌を殺したり活動を抑制することではない)
別にこういった成分が配合されなくても「除菌」と表現することはできるんですけどね…。
(詳しいことはまた今度ということで…)
なのでウェットティッシュ類の成分ではこれらの防腐剤や抗菌剤の配合を見て、
一番優しいものはどれなんだろう?
と僕だったら見ていきます。
ただし注意したいのは
実は「高い除菌効果」と、「肌に優しい」は基本的には両立しないのです。
◎抗菌剤や殺菌剤には「毒性」が強いものが多いという事実
防腐剤に利用されている成分というのはつまり「微生物にとって毒になる」成分です。
微生物は身体が小さいので人間にとっては問題にならない量でも致死に至るほどの猛毒になってしまうわけですね。
しかし人にとって完全に安全なのか?と言われると、
それは昔から防腐剤がなんとなく市民から嫌われていますように、
それなりに刺激になったりアレルギーの原因になったりする可能性のある成分も中にはあります。
特に殺菌効果が強かったりする成分が何種類も配合されている場合は、
肌への刺激なども懸念する必要があります。
もちろん、
これらの防腐剤は日常的に使用する量であれば問題無いであろう濃度を国が厳密に定めているので、
ただちに影響があったり実際の毒性が発現することは基本的にはありえません。
ただ感覚的な問題で、
個人的にはより刺激とか毒性の懸念の少ないものを使いたいと思ってしまいます…。。
皆さんはどうでしょうか?(^^;)
◎各除菌剤などの毒性を比較してみると…
ということで、
除菌ウェットティッシュや他のウェットワイパーなどに配合されている
除菌剤や抗菌剤の『経口毒性』と防腐剤の規制濃度を比較してみました!
(経口毒性値は全てMSDSより抜粋)
すると、
経口毒性(食べた時の毒性)を見ると
意外な話ですが最も安全性が高いのはあれだけ嫌われている『メチルパラベン』なんです。
こういう毒性は数字が大きい方が低毒性(※)という意味になりまして、
※毒性評価は「毒性が発現するまでどれくらい沢山食べられるか」で評価されているため。
数字が小さい=それだけ少ない量で毒性が発揮されてしまうということ。
メチルパラベンの経口毒性は8000mg/kgで、
最も強毒性と評価されている『セチルピリジニウムクロリド』は200mg/kg。
実に40倍近い毒性の差があります。
また右の欄の「防腐剤規制濃度」というのは化粧品基準の防腐剤リストにある「粘膜に使用しないもののうち洗い流さないもの」の基準を抜粋しています。
まぁ普通の化粧品にこの成分はどのくらい入れて良いのか?というのを国が定めているんですね。
エタノールは結構沢山入れて良いので規制がありません。
パラベン類やフェノキシエタノールなどは1%入れてもOK。
安全性が高いので配合規制濃度が意外と緩いんです。
対して『塩化ベンザルコニウム』などのいくつかの成分は0.1%以下の規制がかかっていて、
とても毒性が強いことが分かります。
ただし先ほどの「セチルピリジニウムクロリド」はなぜか1.0%なんですが、これは絶対におかしいと僕は思っています…(苦笑)
あと「ポリアミノプロピルグアニド」と「ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル」は、
僕が調べる限り経口毒性のデータを見つけることができませんでした。。
これは恐らく新しい成分なので毒性評価のデータが不足しているからだと思います。
(最近は動物実験があまりされなくなっているので…)
ただ配合規制濃度を見るとどちらもかなり低く設定されているため、
個人的にはアンノウン過ぎてあまりこれで手を拭きたいとは思えません(苦笑)
◎「ノンアルコール」や「ノンパラベン」にこだわる必要はあるのか?
というところでちょっと僕の考えをお話しておきたいのですが、
昨今のウェットワイパーは「アルコールタイプ」と「ノンアルコールタイプ」に大きく分けられています。
(左がアルコールタイプ、右がノンアルコールタイプ)
また、場合によっては「ノンパラベン」というタイプもあります。
確かに化粧品で配合される場合『エタノール』という成分は多少刺激的で、
僕も自分の顔とか身体を拭くときはあまり使いたくない成分です。
でも『除菌』とか、菌を予防しようという働きを狙う場合、
エタノール系のウェットティッシュが一番安全性が高いのではないか?
と僕は考えています。
だってエタノールって『揮発性』という性質がありまして、
拭いたらそのあと揮発してそこから無くなるわけです。
他の殺菌剤とか抗菌剤とかは特に揮発性はありませんから、
常にそこに残存し続けることになります。
例え微量だから毒性は気にしなくても良い成分だったとしても、
何度も同じところを拭き続ければ残っていくような気がするし、、
特に小さい赤ちゃんとかペットとかをお持ちのご家庭だと
揮発して消えない除菌剤を使ったものを使うのはちょっと気持ち悪くないか?
と僕は思っているんです。
実際、
ノンアルコールの除菌ウェットティッシュは安全性が高い除菌剤であるエタノールを配合しない代わりに、
ベンザルコニウムクロリドとかブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルみたいな、
極低濃度で殺菌力を発揮する強力な除菌剤を使用しているんです。
たとえ配合濃度が1/10だったとしても実際の毒性が30倍あれば、
よりリスキーなのはそういった強力な除菌剤を使ったノンアルコールタイプということになります。
だから僕はシンプルにエタノールとかパラベンとかで除菌してくれる製品が一番安全性は高いんじゃないかなぁと思うんですよね。
(もちろんエタノールやパラベンにアレルギーを持つ場合は避ける必要があります!)
◎各製品の成分をさらっと見てみよう!
というわけで各製品の成分がどんな感じになっているのかちょっと見ていきますね!
個人的に一番良いかなと思ったのはライオンさんの『キレイキレイ』です!
除菌剤は水より少ないエタノールに、パラベン二種類だけのとてもシンプルな成分構成です!
まぁ一番無難な選択ではないでしょうか…(;^_^)b
(ただ使った感じはやっぱりアルコールなんで、結構染みる感じがあります…。。)
そして逆に「これちょっと強すぎでしょ!汗」と思ったのは『エリエール』さん…。。
水より多いエタノール、そしてポリアミノプロピルグアニド、ベンザルコニウムクロリド、、
と、非常に強力な除菌剤の構成になっています。。
まぁこの商品は普通の雑菌より強い『ウイルス』を除去するために作られてるからだとは思いますが、、
それにしてもこれはかなり手荒れしそう…(苦笑)
シルコットはさっきの成分表を見て皆さんでどんな感じか見てみて欲しいんですが、
(個人的にはどっちもあんまり良さそうではない気がしてます。。)
あとシルコットにはさっきの二つ以外にも「純水99%!」というタイプがあるんですが…
こっちは強力除菌剤セチルピリジニウムクロリドと安全性謎の防腐剤が二種類とも入っています。
これらの成分は0コンマの濃度でかなり強力な除菌効果が見込めるので
純水99%だからと成分的に安全性が高いとは言えなさそうですね。
(ただこれは除菌とは書いてないから除菌剤そのものの濃度は低いのかも)
あとはイソジンさんはがっつりエタノール系で、
Sセレクトさんはベンザルコニウムクロリド系の無難な作りでした。
↓これは表示が「除菌剤」としか書いてないので何にも分かりません(^^;)
こういうのはやめて欲しいですよね…。。
◎「ベンザルコニウムクロリド」「セチルピリジニウムクロリド」の正体
以上、
思ってた以上にめちゃくちゃ長くなってしまったのですが、
最後にどこらへんが「柔軟剤」と関係していたのか?という話をして終わります。
実は先ほど出した毒性比較の表の、
経口毒性が一番高いNo.1&No.2「セチルピリジニウムクロリド」「ベンザルコニウムクロリド」って、
実は柔軟剤の仲間なんですよ。
どちらも『第四級アンモニウム塩』という陽イオン界面活性剤の一種で、
柔軟剤に使われている「エステル型ジアルキルアンモニウム塩」と同種の成分です。
毒性自体は柔軟剤の方がかなり優しくなっていると思いますが、
性質上はあまり変わらず陽イオン界面活性剤という時点で相当肌刺激はあります。
陽イオン界面活性剤はとても生態への毒性が強いので、
強力なものはベンザルコニウムクロリドなどのように殺菌剤として利用されているんですね。
界面活性剤ですから浸透性や皮膚への吸着性も高い成分なので、
僕はできるだけ肌には乗せたくない成分だと思っています。
というわけで、
実際「手肌の除菌」は本当に必要なのかどうかという話は今度別に書きたいと思いますが、
今日のところは除菌ウェットティッシュがどんな成分でできているのかに着目したお話でした!
それと最後に、今日は手の除菌ネタ(?)ということで…
【できるオンナは「手」を捨てない】の出版記念で撮影された
共著者の川上愛子さんとの対談動画第3弾が更新されているので
是非皆様ご視聴下さいませ!\(^o^)/
前回に引き続き洗剤と、柔軟剤と香り付け専用剤(香料)の話をしてますよ!(^-^)ゞ
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