『シリウス・ファイル』 ジョン・クリード | 固ゆで卵で行こう!

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ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

著者:ジョン・クリード
『シリウス・ファイル』 (新潮文庫)

英国首相直属のの秘密諜報機関MRUに属するジャック・ヴァレンタインは、上司のサマヴィルから1970年代初頭に北アイルランドにパラシュート降下した工作員の死体を探し、その所持品を持ち帰れという任務を受ける。

目的も明かされない任務の裏に何かきな臭いものを感じたジャックは、裏切り者の濡れ衣を着せられ仲間から追われているIRAの闘志で旧友のリーアム・メロウズと共に自前の改造漁船でアイルランドに向かうのだが、何者かに銃撃を受ける。





先日読了した『シャドウ・ゲーム』の前作にあたる“ジャック・ヴァレンタイン”シリーズの一作目。

アイルランドに関する物語でもある事からも、ジャック・ヒギンズの作品に似た雰囲気を感じる。


スパイというものに憧れを抱いて入った世界に、自分自身の甘さから幻滅し、現在はシニカルでいながらどこかロマンチストである部分を捨てきれずにいる中年・・・それが主人公のジャック。


物語はジャックとリーアムの妹であるディアドラとの恋愛模様も絡めながら、時折過去へのフラッシュバックを交えつつ進む。

正直ストーリーの肝であるべきである筈の“謎”に関してはピンとこないところがある。

しかし、正統派と言える冒険小説を堪能できるのが本作だ。


途中、過去の回想シーンがあるところなんかは、少々もどかしささえ感じを抱くかも知れないが、後半の海上での敵との戦い、嵐との戦い、そして地上で行われた最後の闘いの場面は見事!
主人公が敵との戦いで、一度はチャンスを与える場面も面白い。


世間ではいまひとつ評価が高くなかったようだが、男同士の友情、アクション、そしてその味わいある文章とから醸し出される雰囲気に浸りたい一作だ。