先日、広島に住んでいる妹が

昔8歳まで住んでいた家から

よく通っていた駄菓子屋さんまでの道を

動画に撮って送ってくれた。

 

 

家から駄菓子屋さんに行く道、

周りの風景は全く跡形ないけれど、

道だけは昔と変わらず存在していて

嬉しい気持ちになった。

 

 

あの頃は何も意識していなかった風景だけれど、

今振り返ってとても懐かしい。

 

昔の記憶がおぼろげで全く関心もなかった風景

今となっては当時の様子を写真に撮っておけばよかったと思う。


 

ふと、


昔見ていた景色が全く違ったものになって

郷愁に浸る気持ちをとてもうまく表現していた


大島弓子さんの

『四月怪談』


という漫画を思い出す。

 

 

 

 

あらすじは

 高校2年の国下初子は不慮の事故で死んでしまうが、死んだことに気が付かない。

そこへ見た事もない風体の少年(岩井弦之丞)が現れて「肉体がまだ使えるから生き返りなさい」と忠告する。

だが、初子は霊になった自由な感覚が面白くて中々生き返ろうとしない。

弦之丞は初子が心配で彼女の後について回る。

弦之丞は100年前(!)に死んで、生き返るために自分の肉体を探している霊なのだった。
はたして初子は火葬前に生き返る事が出来るのだろうか?

 

初子がテレポーテーションで

空中を飛び回りながら

いろんなところに出かけていくのだが

 

初子の住んでいる駅ビル近くに行ったとき

ぽつんと弦之丞がつぶやく

 

 

『キミの住んでる街の駅の付近はさ

ボクが生きているころ

それはきれいな

小川のある森だったんだよ

 

ボクらそこであそんだんだ』

 

『でもさ

それを知ってるボクが

今の駅ビルや自転車置き場を見ると

少し切なくなるけど

 

キミらにとっては

生まれたときから

あそこにある駅ビルや自転車置場が

やっぱり

いとしいものになってるんじゃないかい?

 

 

 

 

 

 

このセリフを読んだ時

本当に岩井弦之丞の気持ちが心に沁み込んで

読んでる私も心が締め付けられるように

切なくなった

 

この時と同じ気持ちがまさに

妹から送られてきた動画で追体験されたのだった

 

何気なく見過ごしている日常の風景が

後で振り返ってみると

その頃の自分にふっとタイムスリップした様で

懐かしくかけがえのない大切な記憶だったと

思い出すことがあるんだな

 

と思うと

今生きている日常も

一つ一つ

大切に

五感をフルに使って

感じていきたいと思う

 

 

 

 

四月怪談 (白泉社文庫)

 

四月怪談 (白泉社文庫)