本当におもしろかった。本当に読むのを止めることができなかった。

 

 

まずなんといっても、自分の若いころもやもやと感じていたことをスパっと文章にしてくれたこと。彼女よりも数年後ではあるが、私もなぜかあの頃の中国に惹かれ、中国に滞在していたのである。

 

ちょうどあの混沌とした中国を経験した者として、あのころの記憶が少しずつ掘り起こされ、とてもノスタルジックな気分に浸ることができたのである。

 

彼女の文章力は圧倒的で、私は彼女のような術で、当時のことを残しておくことができなかったことがとても悲しくなるのである。なぜ当時のことをもっときちんと残そうとしなかったのか、本当に悔やまれる。

 

私と彼女がとても似ているのは、まず日本がそれほど居心地よく感じていないということである。完全な脱落者ではないが、なぜか日本での居心地がよくないのである。

 

私は、中国でなくてもよかったのかもしれないが、日本から一度出てしまうと日本の価値感の中で、生きなくてもいい感覚。それがとても居心地よいと感じたのである。そうして、中国ではちょうど鄧小平の改革開放後で、社会主義の過去も引きずりつつ、新しい価値観とごっちゃになっている。そして、何といっても、先進諸国とはあまりにも違いすぎるいろんなシステムがとても新鮮であった。

 

例えば、みんなが会社がらあてがわれる団地みたいなお家に住んでいたり、大学生はかならず8人部屋ぐらいの寮に住まなくてはならないとか。けど市場では、たくましい売り買い合戦が繰り広げられているし、この著者の方が書いているように、海外に出ることを望んでいる人が非常に多いのである。

 

当時大学生であった私には、本当にすべてが新鮮で、日本の何倍ものスピードで変化している中国という国になぜかものすごく興味をそそられたのであった。

 

そうして、ちょうど日本で放映していた大地の子や、さらばわが愛等を見て、そうしてワイルドスワンを読み、どんどん中国に惹かれていったのだった。かれこれ20年前くらいなので、当時はまっていた映画や本をもう一度見たり読んでみたりするのもいいかもしれない。

 

自分の話に飛んでいってしまったが、若かった当時の自分を思い出しつつ、そうして彼女の突き進んだ旅にぐいぐい引き込まれていった。

 

確かに日本人だからということで、よくしてくれた人もいたのかもしれないが、たぶん彼女は人間的にとても魅力のある人なんだと思う。そうして、彼女が中国人の人たちに好意を持っているので、中国人の人たちも彼女にとてもよくしてくれたんだと思う。

 

語学力だけでは補えない何かがあったからこそ、その町々で人と知り合い、あそこまで中国人の心を開かせたのだと思う。

そうして、何といってもいろんなことに対する彼女の切り口。思う存分書いていただいて、本当に楽しませてもらった。

 

あの当時の中国によく女性一人で、ほんとガイドブックから拒絶されたような場所を、おまけにバスなどで行ったと思う。その勇気にも乾杯である。一歩間違えるとかなり危険だったと思う。

 

―長距離バスの4人チーム

ーベトナム入国

ー中国バスの話(懐かしかった・・・)

ー華南の教会

ー食堂のおばちゃんの家族

ー日本に密国してきた人との出会い

 

今日はこの本のおかげでとても楽しい一日が過ごせた。ほんと感謝である。