Don't worry be happy!

Don't worry be happy!

いくつになっても夢がある大人でいたいです。挑戦、玉砕、反省、再生を繰り返して半世紀(笑)人生一度きりだから楽しんでいきましょ〜!

5月まで旅行も行ってたのに、急に容体が悪化して入院した小石田。今は新しい家族と暮らしているけど、息子が心配でたまに電話してきたりしていた。


『俺はそんなに生きられへん。だから、生きているうちにいろんなことを教えておかなあかん。

あいつはまだまだたよりないから、お前も親としてちゃんと見とけよ。お前もたいがいやけどな。』


入院先からだった。元気やと思ってたのに。


『泣くんやったら電話切るで』


1番泣きたいのはあんたやもんね。ごめん。


息子は毎日病院に泊まった。浴衣の着替えさせ方、オムツの交換の仕方も看護師さんについて教わっていた。むせるからトロミをつけた飲み物を作ったり、小石田の呂律が回ってない言葉もちゃんと理解してベッド上のポジショニングもクッションの位置を変えたり工夫していた。


小石田は不安なのか、何かあればすぐに息子を呼ぶ。それでも嫌な顔ひとつせず、小石田のために甲斐甲斐しく動く息子。


あれだけ反抗していたのに…


小石田が病気になってから、息子はずっといろんなことを教えてもらっていた。アホやボケやと言われながらでも、息子は父が必死になって一人前にしようとしてくれていることに気がついたんやろな。


『あいつのおかげで俺はここまで生きてこれた。』


いや、それ直接本人に言うたって。

泣きそうになったけど、我慢した。


家に帰りたがっている小石田のために、息子はテキパキと夜間のヘルパーさんも手配して、部屋のベッドも設置して、オムツ交換の時お尻拭きが冷たいと可哀想だからホットウォーマーを買い、本当によく動いた。お医者様、ケアマネさんたちのおかげもあって、どないか退院できた小石田。


『心配やから見守りカメラもつけるわ。』


一緒に買いに行こうと言うことになった。

電気屋さんで落ち合う予定が、なぜか私が大渋滞にハマり遅れてしまった。

サッサと買い物を済ませていた息子。

値切り交渉もしたらしい。さすが!


『うめたちのお墓参りして行こう。』


小石田が訪問入浴してもらって落ち着いて寝ているから少し時間が取れるというので、行くことにした。


『お父さんが呼んでるから帰ってきてやって。』


お墓参りを済ませた途端、息子の電話が鳴った。

今の嫁からだった。


『お茶でもしたかったのにごめんな。』


また用事終わったらお茶しようと言って、私は小石田の家の近くのコンビニで時間つぶすことにした。

15分くらい経って、息子からLINE。


『死んでしもた。』


うそやろ。

息子は間に合わなかったらしい。

普通にまたなんか呼んでるだけやと思って家に戻ったら5分くらい前に息を引き取った後だったって。


あれだけずっとお世話してきたのに、最期に会えなかった息子。

ほんまごめん。私のせいや。


『ええよそんなん。苦しまずにいけたみたいでほんまよかった。自分も色々ありがとうな。』


家族葬だから私は行けないと思ってたら、あちらの家族に交渉してくれた息子。


お通夜は寂しいものだった。

入院も2、3人にしか知らせていなかったらしい。

弱ってるとこ見られたくなかったんかな。


『絶対寂しがってるよな。』


その夜息子に小石田が会いたいと思ってるであろう人たちを聞かれたので、昔からの友達や仕事でよく一緒だった人たちを伝えた。

真夜中の2時だったけどすぐ返信くれる人もいた。


弔電もたくさんいただいた。


告別式にもきてくださった。

みんな泣いてくれたから、ありがたかった。


喪主は息子。

お礼のスピーチも涙で詰まりながらも立派にこなしていた。本当にたのもしくなったよ。

さすがあんたの息子やね。


中学ではワルさばっかして怒られてばっかやったのにな。全てを肥やしにして立派に成長してくれたんやと思う。


斎場へは行けないから、棺の小石田に


『ようがんばったな。息子は私が守るから、天国でゆっくりしてな。生まれ変わったらまた会おう。

ほんまに今までありがとう。』


心からの言葉やった。


嗚咽が止まらなかった。


寂しいから嫌なことばっか言うてきてたんや。

辛いから私に話聞いて欲しかったんや。

なんでわかってあげれんかったんやろう。

ほんまごめん。

ごめんしか言葉がない。


最後の方は片目がほとんど見えなくなってLINEも打てないくらいになってたはずなのに、facebookで友達申請してきた小石田。

私に息子を頼みたかったんかな。


ごめんじゃなくてありかとうやんね。

離れてもう5年以上経つのに、いつも私の心配してくれてたよな。口は悪いけど、あんたの思いをありがたく受け止めてたよ。


ケンカしながらもいつも3人で旅行してたよね。

たくさんの楽しい思い出はほんまに宝物。


『お前も早く再婚しろよ』


よく言われた。心配してくれてたんやね。

私なら大丈夫。

あんなに立派な息子がおるんやもん。


小石田に天国で安心してもらえるように、本気で生きていく。自分で限界作ってた自分にやっと気がついた。年齢は言い訳に過ぎない。

目指せカーネルサンダース!


がんばるわ。

見ててな。

ほんまに心からありがとう。