かつて、前代未聞の問題児という女子生徒がいました。

まず、授業中にも関わらず、大声で悪態をつきながら席を立ち、突然大の字になってバタッと寝るのです。

渡された教材は、空中に放り投げる。

小学生ではなく、高校生なのですよ。

その影響でクラス全体がいつも雑然とし、彼女に倣ってやりたい放題する生徒が増えました。

思わず私は数人に対し、「この授業の後、残ってね」と言い渡しました。

当然、彼女たちは怒られると思ったことでしょう。


授業が終わり、彼女たちに声をかけました。

「みんな良い友達に恵まれて、良かったね。ところで、学校や家は、どう?」

本来は、お互いに「悪い友達」とも言われかねないのですが、本当にそうでしょうか?

つるんでいるかに見える仲間には、その仲間だからこそ癒される何かがあり…

また、癒されることを求める理由が、ひとりひとりにあるはずなのです。


怒られると覚悟していた彼女たちは一瞬で打ち解け、いろんなことを話し始めました。

毎晩、カッターで手首を切っていること。

親との関係。

親のいない複雑な家庭環境。

誰も信じられないこと。

やっぱり友達がいるから、なんとか支え合っていられると。

事情を明かしながら、みんな口をそろえて、「こんなふうに、ずっと話していたい。」と言いました。


それからゆっくりと、次第に問題行動は少なくなりました。

やがて、自分の将来を、前向きに考えられるようになりました。


年齢に関係なく、子供たちは自分を肯定してもらうことを、本人も気づかず心の中で求めています。

そして肯定されると、子供はこんなふうに変わるのです。

変わる、のではなく、本来の自分をのびのびと生き、自分の中にある宝物に気づく。

そう言うべきですね。


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