子供の前で、「あなたのため」だとか、「あなたのことを思って」だとか。

そう言ってしまうことの影響について、今日は考えてみましょう。


この言葉はまぎれもなく、大人が「良かれと思って」使う言葉です。

子供の学習態度や生活態度について、「あなたのために」と言って注意する。

あるいは人生の指針を示す。

でもそれって、ほんとうに子供のために言っていることでしょうか?

大人が、実は自分への評価のためだったり、自分が安心するためだったり、自分の信じる価値観のためだったり…

そういう思いが潜んでいないでしょうか?


あるいは、たとえば末期状態の夫婦が、子供の前で「あなたのため」と言って夫婦関係を続ける。

これは子供にとっては、悲惨です。

子供の目に、親の不幸は明らか。

自分のせいで親が不幸で居続けなくてはならないなんて、子供にとっては有難いどころか、苦痛でしかありません。

「あなたのため」と言いながら、夫婦で真剣に向き合うことも、きっぱり別れることもせず、現状から踏み出せずにいるだけかも知れません。

やむを得ない事情もあることでしょう。

でもそれはその事情のためであって、「あなたのため」ではないことを分かる必要があります。


大人が思う「あなたのため」を突き詰めると、それはどれも「自分のため」だったりします。


だったら「自分のため」だと、子供にも語りかけましょう。

子供への負担、子供への呪縛は、それで随分なくなります!

そして自分の犠牲を美徳にせず、大人も覚悟をもって自分を生きることが出来ますから!


これは、生き方のスタイルを変えることではありません。

自分のスタイルを自覚することです。

たとえば、子供が相手でなくても、常に「相手のため」に気遣った行動しかとれない場合。

それで苦労が絶えないとしても、「結局、それを選んでいるのは自分だ」と知る。

それを知れば、苦労を誰かのせいだと嘆くことなく、苦労の代償を相手に期待することもなく、また期待を裏切られたと嘆くことなく…

「これは自分が選んだこと」と、良い意味で割り切れるようになります。


「あなたのため」を手放すと、ほんとうに自分が生きたい道を、大人も子供も潔く、軽やかに歩くようになるでしょう。



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