角田光代『さがしもの』(新潮文庫)を読みました。


本の魅力は、読むことで視野が広がり、自分にたくさんの気づきや発見を与えてくれるから、だと思っていました。


いやもちろん、これも本の魅力には違いないのですが、もっとたくさんの魅力があり、可能性があることを『さがしもの』を読んで教えられました。


この物語は、本をめぐって織りなされる人間関係が描かれた9編の短編集です。


本をきっかけに過去の記憶が思い出されたり、
またはずいぶんと時を経てふと巡り合った本が思い出の一冊だと思い出したり、
まったく知らない人が同じ場所で同じ本を手にしていたり、
旅先に置いてあった本をふと手に取ると、不思議な書き込みがしてあったり、
書き込みが蓄積された「伝説の古本」を探したり、
恋人同士で本棚を共有し合ったり、別れたときに泣く泣く本を整理したり、
一冊の本との出会いがその後の人生を大きく影響させていたり、
頼まれた本を見つけられずにがっかりされたり、十数年の時を経てその本をやっと見つけられたり、
自分がAに贈り物としてあげた本が、Bが贈り物としてもらった本と同じだったりと、「本」をめぐる人間模様が描き尽くされています。


本は、ただ自分が読んで楽しんで満足!というものだけではないということを噛み締めさせられました。


わたしは「本は最強の自己満足」だと思っていました。
人それぞれ響くポイントは違うし、読書という行為自体は基本的にひとりでするものだから、自分のため、ひとりのためのものだと思い込んでいました。


今思えば、なんて視野の狭い見方でしょうか。
(読書で視野を広げたいって言ってるくせに!)
自分が内省的な性格だから、つい自分ばっかり見つめてしまうんでしょうね・・


本を通して、友人や恋人、国を飛び越えたまったく知らない人とも「繋がる」ことができる。
本をきっかけに発展する人間関係もある。
ずいぶんと時を経ることで、本をめぐる不思議なご縁ができることもある。


本は自分だけの「閉じられた」ものじゃなくて、めちゃくちゃ「開かれた」ものだったんだとブログ6年目にして気づかされました・・。


この物語で特に響いたのは、時を経て過去の自分と“つながった”ときの心情描写です。


学生時代には難解だと思って投げ出した作品を10年ぐらい経ってから読んでみると、当時は理解できなかった物語の「深み」がわかるようになり、見えなかった話の本質が見えるようになる。


いまと昔で読んだときの印象がまったく違い、そこに驚きながら物語を読み込んでいく描写に大いにうなずき、わたしも昔読んだ作品を改めて読み返したくなりました。


「かわっているのは本ではなくて、私自身なのだと。ケーキの代金を節約したむすめは、家を離れ、恋や愛を知り、その後に続くけっしてうつくしくはない顛末も知り、友達を失ったり、またあらたに得たり、かつて知っていたよりさらに深い絶望と、さらに果てのない希望を知り、うまくいかないものごとと折り合う術も身につけ、けれどどうしても克服できないものがあると日々確認し、そんなふうに、私の中身が少しずつ増えたり減ったりかたちをかえたりするたびに、向き合うこの本はがらりと意味をかえるのである。」(23頁)


本は自分の成長を反映する鏡でもあるのですよね・・。


再読本を何にしようか考えながらも、これからは自分だけじゃなくて、だれかに繋がるような読書体験をしてみたいと心から思いました。


選書サービス運営者として自分を通じて本をつなぐことはしていましたが、本を通して人つながるようなことはしていなかったので・・。


その発想はなかったなぁ〜。と、気づき&ショック(良い意味での)も受けた一冊でした。


いつか、この本を本好きの人にそっとプレゼントしてみたいですね。


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