こんばんは〜!
世間はクリスマスですね🎄

わたしにとってはただの平日ですが!
そんなの関係ねぇ!(いきなりどうした)

でもケーキは食べます。笑

仕事納めまで突っ走っていきまーす!


そして芥川賞候補作も3冊目!
どんどん読んでまーす。

乗代雄介「最高の任務」は、大学を5年かかって卒業した主人公の「親離れ」の物語だと読みました。

卒業間際の大学生というと、22〜23歳くらい。
年齢的には成人しているけれど、まだまだ大人と言い切れない若者。

そんな大学生にとっては卒業式こそが「本当の成人式」なのかもしれません。

この物語は主人公の卒業式に家族総出で出席すると決まる場面からはじまります。

主人公が卒業までに5年かかってしまったのは、仲良くしていた叔母を病気で亡くし、ふさぎ込んでしまったから。

叔母とは書庫を共有したり二人で何度もハイキングに行ったりするほど仲が良く、主人公の知的教養はすべて叔母から注がれたものでした。

叔母が亡くなってから、主人公は叔母からもらった日記帳に書いた日記をなぞり、叔母との思い出を追いかける日々を過ごします。

叔母から教わった本、歌人、ちょっとした知識は主人公のなかに染み渡り、そのことに気づくたびに主人公は叔母のいない事実に触れ、叔母へ思いを馳せます。

叔母がその時何を考えていたのか、答えを聞くことはできないけれども、主人公は叔母との思い出を辿らずにはいられないのでした…。

そんな日々を経て主人公は大学を卒業するのですが、卒業式が終わった後に主人公を待っていたのは家族からの思わぬサプライズ。
卒業式用のドレスのまま、有無を言わさず主人公は特急に乗せられ、行き先のわからない家族旅行がはじまります。

この家族旅行は、亡くなった叔母を含めた家族から主人公への思いやりに満ちた旅でした。

主人公は家族からの思いやりに満たされ、胸いっぱいになるところで物語は幕を閉じるのですが、この物語が特徴的なのは、このエピソードが「書かれている」ことです。

どういうことかというと、「地の文」だと思っていた言葉は実は主人公の日記の文章で、主人公は「書く」ことでこれらの思い出を振り返り、そして自分の気持ちを書き留めているのです。

そのためこの物語では心情や風景描写があいまいになる部分があったり、「いま日記を書いているわたし」の感情が入り込んだりして、たびたび読み手を混乱させます。

なぜこんなにややこしい書き方で卒業旅行のエピソードが語られるのか?といえば、それが主人公にとっての「最高の任務」であったからなのかなぁと思います。

聡明で、ちょっと意地悪だった叔母が主人公に与えた日記帳に、叔母や家族との思いを書き留めること。

主人公にとって、書くという「最高の任務」は、叔母のいない悲しみや家族からの思いを受け入れ、明日を生きる原動力となっているのではないか…と最後まで読んでそう思うのです。

決して読みやすい物語ではありませんでしたが、いろんな人が生きるために、自分を受け入れるために、そういうやり方、「最高の任務」があっても良いだろうな、と思ってなんとなく腑に落ちた作品でした。
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