何コロッケが一番好き?

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小5の時、商店街から細く伸びた路地の中の、
一軒の家に住んでいました。
 
商店街から奥に3件目の家だったかな。
路地の入口にあるのは、向かって左側が薬屋さんで、
右側が肉屋さん。
 
肉屋さんは、肉の他に衣をつけて揚げるばかりになった
コロッケやとんかつやメンチカツを売っていて、
お願いしたら、その場で揚げてもくれました。
 
わたしは、この肉屋さんの揚げたてコロッケを食べたいと、
我が家の主婦「まあおばちゃん」に良くおねだりしました。
 
でも、「まあばちゃん」は、なかなか「うん」と言ってくれません。
ご近所の人に「炊事の手抜き」をしていると思われるのが
嫌だったのかもしれません。
 
ようやく「まあおばちゃん」のお許しが出て、
コロッケを買いに行くのはわたしの役目。
お肉屋さんが白いコロッケをつかんで、濃い茶色の油の中に落とすと、
コロッケはしゅわしゅわと音を立て、細かい白い泡に包まれます。
 
頃合いを見て、お肉屋さんがコロッケをひっくり返すと、きつね色コロッケが。
 
実はわたし、コロッケが食べたいよりも、コロッケを揚げるのを見たかったのです。
 
揚げたての熱々コロッケは、つるつるした細長い白い紙に並べて、
紙の端と端を重ねあわせて、輪ゴムでぱちんととめて。
 
それを更に、緑色のべらっとした紙で包んでくれて。
 
温かい包みをいそいそと受け取って、コロッケをつぶさないように、
外側の紙ににじんできた油で、洋服を汚さないように、
細心の注意を払いながら、でも冷めないうちに少しでも早くと、
小走りに家に戻って。
 
大人になったわたしは、一番好きなコロッケはとたずねられたら、
「クリームコロッケ」と答えます。
自分でも、ジャガイモをつぶして、コロッケを作って、揚げたりもします。
 
でも、あの商店街のお肉屋さんで、油の中でしゅわしゅわいっていた
コロッケを見つめていたような、わくわくした気持ちには、
もう全くなりません。
 
本当に一番好きなのは、味も覚えていないけど、
あの商店街のコロッケなのです。
照れ
 
 
今日も、読んでくださってありがとうございます。
照れ