毎日新聞より

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181017-00000004-mai-soci

 

 

10/17(水) 7:00配信

 

<ファシリティードッグ>子供の闘病支え9年 ベイリー引退 

「引退式」を終え、会場を出るベイリーに抱きつく男児=横浜市南区の神奈川県立こども医療センターで2018年10月16日、宇多川はるか撮影

 

 

病気の子供に寄り添う日本初の「ファシリティードッグ」として、神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)に「常勤」してきた10歳の雄のゴールデンレトリバー「ベイリー」が16日、高齢のため引退した。手術室までの移動に付き添ったり、ベッドで添い寝したりと約9年にわたり、延べ約2万3000人の子供に関わってきたベイリー。闘病を支えられたという親子から、感謝の声がたくさん寄せられた。【宇多川はるか/統合デジタル取材センター】

【写真特集】引退するベイリーと触れ合う子供たち

 ◇「引退式」に50人以上が参加

 16日に同センターの体育館で開かれた「引退式」には、ベイリーと関わりがあった親子ら50人以上が参加。入院中の子供は、点滴をしながら車椅子で駆けつけた。

 子供たちを代表してスピーチした横浜市の安田結(ゆい)さん(10)は「私はベイリーと6年くらい一緒にいて、友達だった。つらいときにベッドで一緒に寝てくれた」などと話し「おつかれさま。ありがとう、ベイリー」と締めくくった。

 病院関係者からも「子供たちが安心して手術室に向かえるよう寄り添ってくれて、大きな支援になった」「子供たちは厳しい毎日を乗り越える力をもらえた」と感謝のスピーチが続いた。

 会場に設置されたボードには、親子からのベイリー宛ての手紙が掲げられた。「ありがとう」という言葉と共に成長を伝える手紙のほか、闘病の末に亡くなったことを報告する手紙もあった。

 ◇手術室への同行から「みとり」まで

 ファシリティードッグとは、「ハンドラー」と呼ばれる看護師ら臨床経験のある医療従事者とペアになり、医療チームの一員として働く犬。短時間の訪問が主の「セラピードッグ」とは異なり、病院に「常勤」して長期入院する子供らに寄り添う。

 ベイリーは平日、散歩して朝食を食べた後、午前9~10時にハンドラーの看護師、森田優子さん(37)と一緒に「出勤」。10時から午後4時まで、病児の手術室までの移動や麻酔が効くまでの付き添いのほか、歩行リハビリテーションへの同行、最期のみとりの同席などの「業務」にあたってきた。1日に訪問する病児は平均10~20人。休日はドッグランや水辺などに出かけ、「犬らしく」過ごしてきた。

 ◇病棟の廊下しか歩けない世界の中で…

 「約6年お世話になり、ベイリーには本当に、ありがとうと言いたい」。横浜市鶴見区の金村めぐみさん(39)は話す。

 長男駿汰(しゅんた)ちゃん(6)は0歳で脳腫瘍が見つかり、生後5カ月の時から2年5カ月にわたり同センターに入院した。3歳になる直前に退院したが、昨年末の検査で再発が判明。1月に再び入院し、退院時期はまだ決まっていない。

 血が出るまで吐いてしまうような副作用もある抗がん剤治療、複数回の手術--。そんな入院生活の中で、ベイリーとの触れ合いが親子の楽しみの一つだった。視力が少しだけ残る左目で駿汰ちゃんはベイリーを追いかけ、手で触ると笑みがこぼれた。

 「病棟の廊下しか歩けないような狭い世界の中で、ベイリーに会えると駿ちゃんも他の子供たちも付き添う親も、本当にうれしそう。病気の回復にもきっと影響があるんじゃないかと思います」。めぐみさんはそう語る。

 ◇課題は認知度と資金

 ベイリーは、ハワイで専門的なトレーニングを積んだ後、2010年から静岡県立こども病院(静岡市葵区)で2年半、神奈川県立こども医療センターで6年にわたって働いてきた。今後はハンドラーの森田さんと共に暮らしながら、体力的に無理ない範囲で「ボランティア」として病院内の図書館などで子供たちと触れ合う。

 後任は昨秋に来た2歳雌のゴールデンレトリバー「アニー」だ。ベイリーと共に1年間働きながら、「仕事」を身につけてきた。

 ベイリーらを導入してきたNPO「シャイン・オン・キッズ」(東京都中央区)によると、ファシリティードッグは欧米で00年ごろから試みが始まった。しかし、国内のファシリティードッグは、ベイリーを含めて2病院3頭にとどまる。普及が進まないのは、認知度の低さや資金面に課題があるためという。1頭あたりの初年度経費は年間約1200万円、継続運営費は年間800万~900万円かかる。きめ細かい研修や感染対策など管理費が必要だからだ。こうした経費は同NPOに寄せられた寄付金のほか、一部は病院側の負担で賄ってきた。

 ベイリーのハンドラーをしてきた森田さんは「ベイリーが毎回処置に付き添ったり、亡くなる直前まで添い寝したりした子供の親御さんから、たくさんの感謝の声をもらっている。ベイリーの功績を次の世代に受け継いでいきたい」とファシリティードッグへの支援を呼びかけている。

 

 

病児と向き合うベイリー=NPO「シャイン・オン・キッズ」提供

「引退式」に駆けつけた親子らと記念撮影に臨むベイリー。左は「後任犬」のアニー=横浜市南区の神奈川県立こども医療センターで2018年10月16日、宇多川はるか撮影

 

 

【関連動画】

https://youtu.be/_TPgsyKiaoE

 

 

https://youtu.be/fvXMW2PfNr8

 

 

 

 

 

 

 

※寄付はこちらより 1回だけの寄付も募集しています。

ファシリティドッグ・プログラム « シャイン・オン!キッズ - 小児がん、重い病気と闘う子どもたちと家族の支援のために http://sokids.org/ja/programs/facility-dog/

 

 

 

★お疲れ様でした。