『アカペラ』
山本文緒
<2008年7月発行>
身勝手な両親を尻目に、
前向きに育った中学三年生のタマコ。
大好きな祖母が老人ホームに入れられそうになり、
彼女は祖母と駆け落ちを決意する。
一方、タマコを心配する若い担任教師は、
二人に振り回されてーーー。
奇妙で優しい表題作「アカペラ」ほか、
ダメな男の二十年振りの帰郷を描く「ソリチュード」、
独身の中年姉弟の絆を見つめた「ネロリ」を収録、
温かくて切ない傑作小説集。
読んだ感想
「アカペラ」
「ソリチュード」
「ネロリ」
3つの話の短篇集でした。
「アカペラ」は、
中学三年生のタマコが主人公で、母とは折り合いが
悪い中、72歳の祖父とは恋人同士のような仲で、
タマコは祖父のことを一途に男性として愛してるんです。
読んでいて、考えられないんだけど、
タマコの一途さに圧倒され、そして切なくなりました。
「ソリチュード」は、
いとこの美緒と中学生の時につき合っていて、
いとこ同士なんて許さないと両親親戚に反対され、
春一は、その後東京でダメな男の暮らしをしてたのですが、
20年ぶりの帰省で母親や美緒と再会します。
春一のダメっぷりが切なかったです。
「ネロリ」は、
病弱な弟(日出男)を愛する姉(志保子)の話なのですが、
ん~、、、温かい話なのですが、
弟を愛し過ぎる姉の思いが強くて、
これまた、考えられないぐらい一途なんです。
そして、後半になって、
弟の恋人(ココア)の素性が明らかになります。
どの物語も、主人公が独特な考え方の持ち主で、
なかなか理解出来ない所もありましたが、
自分の一途な思いに真っ直ぐに生きていたり、
ダメさや、弱さをさらけ出していたり、
揺らぎながらも、
日々を生きている感じが良かったです。
次回は、一週飛んで、
7月1日の金曜日に更新します~
すてきな週末をお過ごしくださいませ。
