ドラミのお膝

ドラミちゃんは、公園で御飯を貰っていました。
毎日、日向ぼっこや、池の鯉を眺めたり、飛んでくる小鳥を見ながら、何年も公園で生活していました。

ある日、ドラミちゃんは、公園の近くの家の塀で、いつものように日向ぼっこをしていると…
お部屋の中で、小さい白い猫が何かに座って気持よさそうに目を閉じていました。
「とても気持が良さそう…。あれは何かしら?あれに座ると、あんなに幸せな顔になれるのかしら…」

ドラミちゃんは、もっと良く見ようと首を伸ばしました。

すると、お部屋の中のカーテンが、シャッと閉められてしまい、それ以上中を覗くことが出来なくなってしまいました。
「あ~あ、残念。もっと良く見たかったのにな~」

ドラミちゃんは大きなため息を付きました。

暗くなって、おばさんが御飯を持って来てくれる時間になり、いつものおばさんが大きなお皿に沢山の御飯を盛ってやってきました。

公園には沢山の猫が住んでいます。
此処で産まれた子、心無い人間に捨てられた子、何処からか流れて来て住み付いた子、色々な猫が住んでいます。

美味しい御飯を食べながら、ドラミちゃんの頭の中は、何かに座っていたあの白い猫の幸せそうな顔が離れませんでした。
「良いな~私もあんな幸せそうな顔になれる物に座ってみたいな~」

その時、おばさんが「ドラミ おいで」と私を膝に乗せて撫でてくれました。

「あれっ?この感じ…とても気持が良いわ…なんだか幸せな気持になってくる…えっと…」
しかし、おばさんは、ドラミを膝から降ろして、「じゃあ、また明日ね。必ずみんな此処に居てね」と食器を片付けて帰って行きました。

「あの感触、昔に感じた事があるような…」
ドラミちゃんは、何か懐かしいような、心がホンワカするような…」

すると、ふわふわの赤い毛のおじいさん猫が近寄って来ました。
元は飼い猫さんで、飼い主が引越しの時に、この公園に捨てて行かれ、それから長年、この公園で暮らしているのです。
ペルシャと何かの混ざったおじいさんは、潰れた顔を近づけて言いました。

「ドラミや、そんな幸せそうな顔で何を思い出していたんじゃ?」

「ええ、あのね。おばさんが私を膝に乗せてくれたんだけど、何か懐かしいような…」

「うん、それはな、ドラミも小さい時には人間の膝の上で可愛がられていたからじゃよ。人間はな、色々でな、優しい人、怖い人、意地悪な人、温かい人…わしらの毛の色の数以上の様々な種類の人間がいるんじゃ。わしも若いときは、人間の膝の上で幸せそうな顔で寝ていたもんじゃ。可愛い可愛いって撫でられて、毛繕いをして貰って…優しい人の膝は幸せな気持になれる場所なんじゃよ」

「おじいさん、そんなに優しい人間の家で暮らしていたのに、何故今此処に居るの?」

「わしは、あの家にとってはペットでしかなかったんじゃろうな…家族ではなく、ペット。可愛い時は可愛がられるけど、年をとったり、毛がもつれて汚くなったり、飽きてくると、いとも簡単に捨てられてしまう…。家族ではなかったんじゃろうな…」

ドラミちゃんは、おじいさんの話が良く分からなかったのですが、あの幸せな顔になれる「座るもの」は、お膝だという事は分かった。

それから、御飯を運んでくれるおばさんが来るたびに、ドラミちゃんはおばさんのお膝に乗りました。

「あらっ、ドラミちゃん、人懐っこくなったわね~」
おばさんが、笑顔になった。

それを見ていた公園のみんなが、おばさんの膝に乗りたがった。

ドラミちゃんが乗っていても、暫くするとおばさんが「さぁ、順番ね。みんな良い子 良い子」
と、降ろされてしまうのです。
その度にドラミちゃんは、悲しくなりました。

「そうか、あれはみんなのお膝なのね…。私だけのお膝が無いかしら?ずっと乗っていられるお膝は無いかしら?」

季節が変わり、ドラミちゃんにとって、憂鬱な季節の夏になりました。
夏は、あの小さくて飛び回る嫌なやつ、そう「蚊」が出てくる。
蚊はドラミちゃんの耳から血を吸って、赤く晴れ上がらせます。
痒さの余り、気が狂いそうになります。
掻き毟る度に、耳から出血し、腫れあがり、爛れ、毛は抜け落ちてしまう。
でも、ドラミにはどうしようも無いのです。ただ、季節が過ぎるのを耳を爛れさせながら待つしかないのです。

しかし、今年は違いました。

ある日、2人の女の人が近づいて来ました。

ドラミちゃんは「この人のお膝は幸せな顔になれるお膝かしら?ねえ、お膝に乗せて頂戴」
しかし、
「この子ね、耳を怪我しているか、皮膚病ではないか?と通報が有った子は…。う~ん、疥癬かな?蚊のアレルギーかな?まずは病院へ行きましょう」
そう言うと、私をひょいと持ち上げて、キャリーケースに入れました。

「ええ?何処へ行くのかな?今日もおばさんのお膝に乗りたいから、暗くなるまでに帰れるかしら?」

暫く車に揺られていると、消毒の臭いがする、お部屋に付きました。

ドラミちゃんは台の上に乗せられて、体のあちこちを調べられました。

先生が「この子は「蚊」のアレルギーだね。「蚊」がいる限り、毎年、こんな耳になってしまうね。本来なら、部屋の中で飼ってあげれば、何の問題も無い子だよ。人慣れしているしね」

すると、私を連れて来た女の人達が「そっか」と言って
「じゃあ、保護決定だね」と言いました。

保護って何かしら?私専用のお膝が出来るのかしら?ドラミちゃんは、再びキャリーケースに入れられて、今度は公園ではなく、人間の家に着きました。

「ドラミちゃん。今日から暫くは此処で暮らしましょうね。よろしくね」

此処にも、沢山の猫さんが暮らしていました。

私は、そばに居たグレーの子に聞いてみました。
「此処は公園?」

すると、グレーの子は「えっ?此処はね、これから優しい家族を見付ける準備をする家よ」

「家族が見つかるの?優しい家族が?」

周りに他の子も集まって来ました。
白黒の子が言いました。
「うん。ここでね、楽しく過ごしているだけで良いんだ」
茶色の子も言いました。
「此処はね、安全な家よ。フカフカのベッドに、綺麗なお水。美味しい御飯と…あと…」

「あと? 何?あと何が有るの?」

黒い子が言いました。
「お膝に乗せて、良い子良い子してくれるんだ」

ドラミちゃんの顔がパッと明るくなりました。
「お膝に乗れるの?幸せな顔になれるの?」

すると、あの女の人達が来て、「ドラミちゃん、おいで」と私をお膝に乗せてくれました。

「わぁ~。嬉しい~!」

しかし…。ふと横を見ると、他の子が順番を待っていました。
「私だけのお膝ではないのね…。みんなのお膝なんだ…」

ドラミちゃんは悲しくなりました。

「ドラミちゃん、此処はね、仮の家族として生活する家なの。あなたには、ちゃんとあなたの家族を見付けてあげるからね」

ドラミちゃんは、少し嬉しくなりました。

数日後、若いご夫婦が私に会いに来てくれました。
「ドラミちゃん、私たちはあなたに会いに来たの。家族になってくれる?ドラミ以上の子に出会える気がしないの」

ドラミちゃんは、顔をくしゃくしゃにして「ンジャ~」と笑顔になりました。

そして…

今、ドラミちゃんは、座ると幸せな顔になれるドラミちゃん専用の「お膝」に座っています。
毎日、順番待ちをしなくて良い、好きなだけ乗って甘えていられるドラミ専用のお膝に。


多国籍の犬猫な毎日(おティんクな気分で)
幸せだね…


未だ、多くの保護猫達が、ボランティアの元で、優しい家族、専用のお膝を待っています。
まずは身近な飼い主の居ない猫たちに目を向けてみてあげて頂けませんでしょうか?
すぐ近くに、優しい家族を待っている保護猫達は、優しい地元のボランティアさんの元で、あたなを待っているかも知れません。


ねこけん里親会

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日時 2013年 6月16日(日) 午後1時~午後5時

※次回は練馬で開催です。
お間違いのないように!


日時6
月16日(日)
    午後1時~午後5時


場所 東京都練馬区豊玉北5-15 -12
アロマテラピーサロン「マシュマロー」
の入っているビルの2Fです。
交通
西武池袋線 練馬駅 徒歩1分
東京メトロ副都心線 練馬駅 徒歩1分
東京メトロ有楽町線 練馬駅 徒歩1分
都営地下鉄 大江戸線 練馬駅 徒歩1分

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里親会に出られるようになった仔猫のみ、譲渡対象となりますので、予約や面会は出来ませんので、ご理解ご協力をお願い申しあげます。


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