実は、倉田にも記憶から消せない犬の親子が居た。
飼い犬であったにも関わらず、引越しをするからという理由で非情にも持ち込まれた犬の親子。
がりがりに痩せた母犬と、体は真っ白で鼻だけ黒く、片方の耳が折れた仔犬はケージの中で蹲って怯えていた。
飼い主は、3匹産まれた中で、綺麗な2匹の仔犬を手元に置き、歳をとった母犬と片耳が折れている仔犬1匹を持ち込んだのだった。

やるせない気持のまま、親子を部屋に移したが、仔犬を守ろうとする母犬は、職員達に激しく攻撃を繰り返した。

倉田は、母犬を落ち着かせようと、毛布を入れてやろうとして、腕を数針縫う程噛まれた。
そして、母犬は危険と判断され殺処分になってしまった。
2匹の仔犬を奪われ、更に最後の1匹までも奪われそうになった母犬は、自分の命も危険な中、仔犬を恐ろしい人間から守ろうと必死に抵抗していただけなのに、その結果殺処分となってしまったのだ。
倉田は、苦しい心情の中、仔犬だけでも何とかしたいと考えていた矢先、噛まれた傷からばい菌が入り、仕事を3週間も休まなければならなかった。
傷が治り、仕事に復帰した時には、仔犬の姿は無かった。
最悪の事態も決して珍しくは無いセンター内では、仔犬の行方を誰にも聞けないまま現在まで来てしまった。
「きっと、優しい人に譲渡されたはず…」そう思うしか無かった。
今でも、最後まで仔犬をかばって、人間に攻撃を繰り返した母犬の声が耳から離れない。

だから、倉田には美弥子の気持が痛いほど良く分かる。
困ったような笑顔で美弥子の顔を見ながら「所長には僕が上手く言っておきます」
そう言うのが精一杯だった

***続く*******(このお話はフィクションです)


ねこけん里親会
詳しくは↓
http://nekokennerima.web.fc2.com/nekoken-home/yotuyanewpage1.html

日時 2013年 3月24日(日) 午後1時~午後5時

場所 東京都板橋区志村1-32-25

交通 都営三田線 志村坂上駅下車 徒歩約5分
スーパーサントクの前( コインパーキングあり)

他にも家族を待っている猫さん達が沢山参加します♪

※里親さんへのお願い
下記URLより、条件・契約書をご確認ください。
①終生飼育 ②完全室内飼養 ③不妊・去勢手術 ④医療費の負担 などの条件や、里親さんになっていただく手順などを記載しています。
http://hama-sush-jp.pro/naoofjapan/theme-10043762276.html


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