飼い主が持ち込んだ動物の命の期限は極端に短い。
翌日には殺処分となる。

美弥子は、はちきれんばかりに大きくなったお腹を抱えながら、ケージの中で不安そうにしている母猫を、殺処分室に移動できずに居た。
数年前、同じように、あと数日で仔猫が産まれそうだという妊娠した猫が持ち込まれた。
持ち込んだ人は、「産まれると飼えないし、これ以上猫にお金をかけられない」という理由を早口で言うと、飼い猫を置き、振り返りもせずにドアを出て行った。
新人だった美弥子は、飼い主からの持込なので仕方なく、大きなお腹で苦しそうな息をしている猫を殺処分室へ運んだ。
翌日、殺処分室で他の動物と共に、処分となった。
処分後…母猫はお腹の辺りに3匹の仔猫を抱えたまま息絶えていた。
苦しみながらも、出産が始まり、母猫は産み落とした仔猫に最後の力を振り絞り乳を与えようとしてたのだろう…
仔猫は呼吸が浅い為、息絶えるまでに時間がかかる事が有る。
仔猫も生きる本能で、母親の乳首に顔を埋めたまま動かなくなっていた。

美弥子は、この件以降、妊娠した猫や犬が持ち込まれる度に、必死に飼い主を探して譲渡して来た。
何匹も何匹も譲渡しても、美弥子の心からあの母猫の事は消えはしないのだが、美弥子は多くの助けたい命が有る中でも、他の命に謝りながら妊娠した猫や犬の譲渡は最優先にしていた。

「倉田さん、また内緒にして頂けますか?この子、もう数日で仔猫を産みますよね」

規則では、個人の感情で仕事の内容を左右してはいけない事になっている。
しかし、過去の話を知っている倉田には、美弥子に対して規則を押し付ける気持にはなれなかった。


「美弥子さん、その母猫早く家に運ばないと、今日明日にも産みますよ。」
獣医師でも有る倉田には、その母猫が今日明日にでも仔猫を出産することが分かった。

美弥子は、慌ててケージに布をかけると、自分の軽自動車に積み込んだ。
そして、母親に連絡をすると、程なくして母親が車を取りに来た。

「お母さん、母猫の出産準備宜しくね。私も、今日は残業が無いから、早く帰るね」

美弥子の母親は、娘の優しい気持が嬉しいらしく、笑顔で車のキーを受け取り、猫の乗った軽自動車で急いで帰って行った。

「倉田さん、どうして人間は家族であるペットの命を「殺して」と他人に差し出せるのでしょうかね?どうやったら、そういう人達の心理を理解することが出来るのでしょうか?私、毎回辛くて、人間を憎んでしまいそうになって…いけませんよね。こんなんじゃ」

倉田は、返事が出来なかった。


***続く*******(このお話はフィクションです)


ねこけん里親会
詳しくは↓
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日時 2013年 3月24日(日) 午後1時~午後5時

場所 東京都板橋区志村1-32-25

交通 都営三田線 志村坂上駅下車 徒歩約5分
スーパーサントクの前( コインパーキングあり)

他にも家族を待っている猫さん達が沢山参加します♪

※里親さんへのお願い
下記URLより、条件・契約書をご確認ください。
①終生飼育 ②完全室内飼養 ③不妊・去勢手術 ④医療費の負担 などの条件や、里親さんになっていただく手順などを記載しています。
http://hama-sush-jp.pro/naoofjapan/theme-10043762276.html


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