Nには、悪いが、俺様の猫生は俺様のもの。

治療をしてくれた事、野良の俺様を家族に迎えてくれようとした事、人間にも良い奴がいる事を教えてくれた事等、Nには感謝している。

でも、俺様は、この界隈で自由に生きていたい。すまない!Nありがとうな!


俺様は、体中に自由を感じながら、早速縄張りの見回りに出かけた。

翌朝、俺様は、Nがまだ泣いていないか心配になり、様子を見にN家の庭に居た。

すると、俺様を見つけたNは何事も無かったかのように、飯を乗せた皿を持って来た。

相変わらず空気が読めないNだが、悪気は無いようだ。

そして、「熊、ここに住んでね」と俺様用に縁側に快適な小屋を作ってくれた。

フッ…。Nも良い奴じゃないか。俺様は、Nが嫌いにはなれないと思った。

そして、風邪をひいては、薬を飲ませてもらい、蚤が付かないようにと、薬をつけてくれたり、Nは何かと俺様の面倒を見てくれるようになった。

こうして、この界隈のノラ猫と呼ばれていた俺様と、他の仲間もみんな「不妊手術」という事を施され地域猫と呼ばれるようになった。

毎日、俺様は、N家の庭に設置されたいくつかの猫小屋で寝起きし、朝晩栄養のある飯を出され、近隣でも「熊ちゃん」「クロ君」「熊五郎」と、様々な名前で呼ばれながら、待っていてくれる他の家でご飯を食べたり、庭や縁側で日向ぼっこをしたりして、暮らしている。


N家で俺様が閉じ込められていた部屋には、今、小柄な雌猫が住んでいる。

この真っ白くてふわふわした「熊おじシャン!」と俺様を呼ぶこの子には、外の生活は無理だったようで、風邪を引き灰色に汚れて鼻を垂らしている所をボランティアに保護されてN家にやってきたそうだ。

彼女はNを召使にして家の中で満足そうに生活している。

このフワフワの子は、俺様と違い、家の中の生活が合っていたんだな。


まあ、猫にも色々とあらぁな!

さて、今日もこの界隈を一回りしてくるか!

あっ、N!今晩の晩飯も大盛りで!なんてったって、俺様はツキノワグマみたいな、熊五郎なんだから


終わり