彼女と最初に言葉を交わしたのは、プログラムの最後に行った懇親会のとき。
会が終わるその直前、彼女はドキドキしながら私に話しかけてきてくれました。
「こんなこと、聞いてもいいのかわからないんですが……」
声を震わせながら、彼女は話し始めました。
彼女には知的障害のある娘さんがいます。
そして、その娘さんが時折、癇癪を起こして物を投げたり、暴れたりしてしまう。
そのとき、どう対応すればいいのかわからず、ただ「嫌だ」と感じてしまう自分もいる。
そんな苦しい想いを、彼女は正直に伝えてくれました。
正直に言えば、私自身には知的障害のあるお子さんを育てた経験はありません。
専門的な対応方法を学んだこともありません。
だけど、彼女の言葉を聞いた瞬間に、その光景がありありと浮かびました。
もしかして彼女は、「障害があるから仕方がない」と自分の想いや感情をずっと我慢してきたんじゃないか?
心の奥でそう思いながら、感情に蓋をして娘さんと向き合っていたのではないか?
そう感じた私は、こんなふうに尋ねました。
「もしその行動を、別のご兄弟がしたらどうしますか?」
「発達に特性のないお子さんが、同じように物を投げたりしたら?」
彼女は、ハッとした表情を見せてくれました。
そのとき初めて気づいたんだと思います。
“言ってもわからないから”と、娘さんをどこか「別の存在」として扱ってしまっていたことに。
それは愛情ゆえでもあり、同時に「腫れ物に触れるような距離」でもあったのかもしれません。
私はこう伝えました。
「特別扱いする必要なんてないよ。」
「物を投げたら痛いよって言えばいいし、そんなに怒ってると悲しいよって伝えればいい。」
「“お母さん、何してあげたらいい?”って聞いてもいい。」
「“あっちの部屋で待ってるね”って、距離をとってもいい。」
本当に大事なのは、「違うから仕方ない」と線を引いてしまうことではなく、
どの子にも、人として、ちゃんと向き合うことなんだと思います。
彼女は深くうなずきながら、「やってみます」と言って帰っていきました。
そして数日後、彼女は本当にお嬢さんと向き合ってみたのです。
その体験を、彼女自身が綴ってくれたnoteがあります。
とても繊細で、あたたかくて、力強い記録です。
ぜひ、読んでみてください。
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