通夜・告別式・初七日は
通常より少し遅くなった。
亡くなったのがお正月。
迎えの車が遅くなったのも、
稼働している台数が少なかったので、
火葬場も同様との事だった。
親戚も出席してくれるため、
泊まるスペースが必要だった。
福祉ベッドを借りた業者に連絡をして、
早めに撤去をお願いした。
そして葬儀当日まで、
家族と親戚は何度が父の元を訪れていた。
私は、母と姉と一度いったきり、
父の元へは行けなかった。
風邪気味だったのもあったが、
グッタリしていたからだ。
そして、私自身が『死』に対する恐怖があったからだった。
当日は、親戚から色々な話を聞けた。
父はあちこちへ旅して回ったらしい。
父の姉(よく付き添ってくれた伯母)の家へは
窓をガタガタと揺らし、
義姉のところへは、買ったばかりの花弁を落とした。
そして我が家まで来るときに必ず迷う義兄の運転の
サポートをして、家まで案内したようだ。
甥のところへは、小学生の頃の姿をして現れ、
私のところへも電気を消したり付けたりして
知らせてくれた。
そして、父が亡くなる前の年に亡くなった、
仕事仲間の人が、
伯父の夢の中に出てきて、
父が死んだのかと聞いたそうだ。
眠っている間に現れた人、
亡くなる間際に現れた人、
亡くなってから現れた人・・・
参列した人から聞いた話は、
どれも本当に父を思わせる内容で、
悲しみが増した。
たくさんの花と、食べたいと言ってた好物。
好きな洋服、家族写真。
好きな球団のサイン色紙など。
父の好きな物に囲まれて旅立った。
葬儀場の人も、火葬場の人も、
皆温かく、天気にも恵まれた。
近しい人だけで執り行われた式だったが、
今も忘れることはない。



