A380の生産が早ければ2018年にも終了するかもしれないというショッキングな報道があったが、背景としては今年、航空会社からの受注が一件もなかったことがある。
この報道にいち早く反応したのがエミレーツのCEOティム・クラークである。エアバスがA380neoを開発するのなら140機発注するとぶち上げたのである。エミレーツは言わずと知れたA380の最大のオペレーターであり、総受注の半分近くを占める航空会社でもあるのだが、本当にあと140機発注するとエミレーツは280機ものA380を保有することになる。たったの6機を購入する金が払えなかった航空会社もあるというのにである。
ティム・クラークはよほどA380が気に入っているとみえて、9月にシカゴで開催された「WSORLD ROUTE2014」においても、A380は「astounding success story」だと誉めたたえ、「もしA380のロードファクターが85%を下回るようなことがあればわれわれはショックを受けるだろう。私は他のエアラインにもA380は素晴らしい飛行機だと言い続けている」とまで言っている。実際エミレーツのA380によるドバイ-ロンドン線の利用率は95%もあるらしい。
ただ「エアバスはA380neoの開発を速やかに進める必要がある」とも言っており、現状のままでは追加発注の意志はないようでもある。
一方胴体延長タイプのA380-900にも興味を示すなど、あの手この手でお気に入りのA380のさらなる開発を促している。
問題はエミレーツ以外の航空会社の意見が必ずしもティム・クラークと同意見ではないらしく、たぬきみたいな顔をしたA350XWBはじゃんじゃん売れているのに、大手、中小、FSC、LCC問わず、デビューして7年たつこの巨人機への関心が薄れているように見られることである。
A380neo開発すればしたで現在のA380を買い替える需要もあるかもしれないけれども、そうすると中古機市場にA380が出回ることになる。エミレーツだって経年機は順に放出するろうし。でもA380の中古を買う航空会社があるだろうか、アリゾナの砂漠にストアされるA380の姿を見ることになる日もそう遠くないのかも知れない。
まあ、しかしA380は乗客からすれば乗り心地の良い飛行機だし、何より巨人機には人を惹きつけるものがある。来年のパリ航空ショーあたりで、A380neoの開発とエミレーツによる大量発注のニュースが発表されることを期待しよう。