以前も書いたけれど、脳外科の病棟は6階の東側にある。
脳外科は入院患者数が比較的少ないため、他の診療科の患者さんが、6階東病棟に混在して入院している。
私が入院していた時は、内分泌科や一般内科の患者さんが多く、脳外の病棟に入院されていた。
ICUを出てからは、2人部屋にいたのだけれど、ある日となりのベッドに、転倒して足を骨折したというお婆さんが入室してきた。
そのお婆さんはお耳が遠く、ご主人であるお爺さんとの会話も上手く噛み合っていないようだった。
お婆さんが隣のベッドに入って直ぐ、看護師に連れられて看護学校の2人の学生が、お婆さんの元へ来た。
看護実習で、お婆さんのお世話を担当することになったので、挨拶に来たという。
カーテンを隔てて直ぐ横での若いふたりの看護学生のキャピキャピ声も堪えたけれど、お婆さん担当の看護師の甲高い声が、開頭手術を受けたばかりの私の頭にいちばん響いた。
お婆さんの耳が遠いのは、仕方ないと思う。
でも、何を言っても、何を聞いても、お婆さんの耳が聞こえにくくて、会話が成り立たないため、看護師の声が、だんだん大きくなるのだ。
もちろん、いつも同じ看護師ではなく、ローテーションで色々な人が、お婆さんの担当で訪れるのだけれど、どの看護師もイライラしながら、次第に声を張り上げてくる。
カーテンの向こう側で大声大会でもやっているのか、終いには病棟全体に響き渡るような看護師の大声を聞くのが地獄だった。
まるで、長靴を履いた土足で脳みそを踏みつけられているような苦痛だった。
それでも、2、3日は我慢していたのだけれど、ある日ついに爆発してしまった。💣
「看護師さんっ!もっと小さい声で話してくださいっ!!
私は頭の手術をしたばかりで、看護師さんの声が頭にガンガン響くんですっ!
おばあちゃん、耳が遠くて、会話が全く出来ていないじゃないですかっ!
どんなに大声出しても、やりとりが全く噛み合わないよっ!
すぐ横に開頭手術したばかりの患者がいるんだから、筆談にするとか工夫して、他の患者への配慮もしてくださいよ!
と、半ベソをかきながら抗議してしまった。
看護師は「ごめんなさいね」と、ひとこと言い放ち退室して行った。
翌日、ふたりの看護学生と、病棟の主任看護師が謝罪に来た。
今後、看護師の教育を、益々徹底して看護にあたること。
お婆さんの了解を得て、これからお婆さんの看護の際は筆談にしたこと。
そして「宜しければ、別の部屋をご用意するので、そちらに移動されてください。」とのことで、私は隣の部屋に移動した。
看護学生は、まだ若く経験もないので無理もないし、お婆さん担当の看護師にしても、整形外科の看護師と思い込んでいたので、ある意味仕方ないとの考えもあった。
でも、主任看護師曰く全員が脳外科の看護師だというから少し驚いてしまった。
脳外科の看護師ならば、脳外科の手術をしたばかりの患者が、カーテン一枚隔てて寝ているのだから、もう少し配慮して欲しかった。
入院中、嫌な思いと言えば、そのくらいで、担当の看護師さんやヘルパーさんには、本当に良くして頂いた。
病院の夜は、はっきり言ってあまり静かではなかった。
手術して間もないのか、「うー、うー、、」と苦しそうな唸り声や、「痛いよー、痛いよー、看護師さーん、助けてくださいー、、」という患者の悲痛な叫び声が響き、眠れない。
痛みや苦痛と闘う患者も必死だけれど、看護師さんやヘルパーさんは、本当に大変な仕事だと、つくづく感じた。
最後まで、お付き合いくださり、ありがとうございます。
今日も、皆さまが笑顔で過ごせますように。