そして…。
睦美と望月によるバンドへのそれぞれの演奏の日がやって来た。
メンバーたち、この時ばかりは観客側に。ステージにはピアノが…。
孔太は始終ニコニコと笑顔で。
神林、そして根岸と葛城、田端、それぞれがそれぞれの椅子に座った姿勢で…。
神林、
「じゃ、お願いしようか。眞鍋さん、お願いします。」
睦美、その声に、
「はい。」
しかし、その時、葛城が、
「え…???…譜面…。」
その声に他のメンバー、
「あ。」
瞬間、孔太、
「いいから、いいから。」
根岸が孔太に、
「え…???」
神林、
「眞鍋さん、今まで、楽譜、見ていたようだ、けど…。」
睦美、そのままピアノに。そして蓋を開けて。
メンバーたち、
「うそ。楽譜見ないで…。」
望月は椅子に座ったままで、眞鍋を見守る。
そして…。メロディが流れる。
メンバーたち、それぞれが、流れるメロディに、
「おっと~~。」
根岸、
「フィルコリンズと来たか~~。」
田端、
「かぁ~~。俺、この曲好きだわ~~。」
神林、
「Against All Odds、見つめて欲しいかぁ~~。」
葛城、
「うんうんうん。いいねぇ~~。」
ただじっと聞き入っているメンバーたち。
そして…。睦美、演奏が終わっても、その余韻はそのままに…。
メンバーたち、拍手をするよりも眞鍋の姿に目が…。
睦美、ゆっくりと鍵盤に手を。そして、
「バン。」
いきなりメンバーたち、
「えっ…???」
それからは流れるような両手指が…。
メンバーたち、それぞれが、
「凄ぇ~~。」
葛城、
「確か、この曲。」
根岸と神林、
「あ~~。ショパンだ。革命。」
孔太、
「おほ~~~。」
望月は望月で、
「さすがは眞鍋さん。」
凡そ3分弱の演奏。演奏が終わるや否や、メンバーたちからの拍手。それぞれが、
「凄ぇ~や~~。」
「うんうんうん。」
「いやはや、何とも。」
そして睦美、メンバーたちに振り向きニッコリと。
「それでは、最後の曲になります。」
今度はメンバーたち、椅子の姿勢を正しながらも…。
メロディが流れる。
メンバーたちそのメロディに、
「うん…???」
孔太、顔を傾げて、
「聞いたこと、ない。」
神林も根岸も葛城も田端も、
「いや。俺も。」
「俺も…。」
「…って、凄い、この弾き方。」
「うそ。これ、譜面見ないで…???」
望月も望月で、
「凄い。」
神林、聞きながらに、
「いやはや。これは凄い。」
そして…。
あるフレーズから葛城、
「うん…???…待てよ。この曲。」
望月も、
「あ。」
根岸、
「おぃ。これって、スティビーワンダー。」
神林、
「あぁ。うんうんうん。可愛いアイシャ。」
田端、
「けど…。これ…、原曲、大きく外れてやしないか…???」
「…ってぇ~事は。もしかして…。」
神林。
「これって…。可愛いアイシャの…、アレンジ…???」
凡そ5分程。そして、演奏は終了する。
メンバーたち、椅子から立ち上がり、拍手。
「凄い。」
「凄ぇ~~。」
「いやいやいや。」
望月も拍手。
「さすがに眞鍋さん、凄~~い。」
睦美、椅子から立ち上がり、
「ありがとうございます。」
根岸、
「いやいやいや。圧巻。はは。凄いの何の。」
孔太、眞鍋に、
「眞鍋さん、最後の曲って…。もしかして…。…って言うより、もしかして、じゃなくとも、スティビーワンダー…。」
神林、孔太の声に頷きながら、
「うんうんうん。可愛いアイシャ。」
その声に睦美、ニッコリと、
「あ、はい。それの、アレンジメントになります。」
葛城、
「いやいやいや。それにしても。全く譜面も見ずに。」
眞鍋、ニコニコと。
「ありがとうございます。」
そして、望月に、
「じゃあ~~。望月さん。お願いします。」
望月、
「あ、はい。」
サックスケースからサックスを。
神林、望月にコクリと。
「お願いします。」
望月、ストラップを首に。そしてサックスを持ちながらステージに。
そして望月、一礼をして。右足でリズムを。目を閉じて…。
サックスのメロディが流れる。
すぐさま睦美、
「わぁ~~。」
メンバーたちも、
「お~~~。」
メンバーたち、各々、耳打ちするように…。
睦美、聴きながらに、
「素敵~~。」
望月、自然に体を泳がせるようにゆったりとした動き。
田端、首を振りながらに、
「いやいやいや。絵になるねぇ~~。」
葛城も、
「何ともゆったり~~。誘いますな~~。」
根岸、
「全くだ。気持ち良くなってくるから不思議だ~~。」
神林、
「サックスの音色のゆりかごってねぇ~。自然に言葉が浮かんでくる。」
そして…、演奏が終わる。そのまま望月、立ったままで。
するといきなり。サックスが唸るように。
メンバーたち、
「え…???」
サックスはそのまま高音に。…と、思いきや。
「パッパラパ~~。」
メンバーたち、そのメロディに、
「えへ…???」
するといきなり、
「かかかかか。」
「それやるぅ~~???」
孔太、両手を叩いて、
「かかかかか。こいつぁ~、いいや~~。」
神林、
「何と。ルパン。」
しかも…。アドリブも過激に。
葛城、笑いながらも、
「いやいやいや。こいつぁ~~。イカスなんてもんじゃねぇぜぇ~~。」

ママでいい…。 vol,288. 神林、「サックスの音色のゆりかごってねぇ~。自然に言葉が浮かんでくる。」
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