そして、こちらでは…。
テレビ局のスタッフ、
「司馬さ~~ん、ははは。凄い反響、エレガンサ化粧品、絶賛ですよ~~。平均視聴率18%。ダントツですね~~。」
その声に司馬惺(しばさとる)、
「ははは。中々どうして~~。やってくれましたよ~~。」
スタッフ、
「それに…。バックの声って誰ですか…???声が若いんですけど、物凄いマッチングしてて新鮮で良かった~~。…って、こちらも反響なんすけど…。」
その声にも司馬、
「ほぉ~~、ほほほほほぉ~~。」
そしてニッコリと、
「さて。誰か、分かるかな~~~???」
そんなところに、
「ディレクター、お疲れ様でした~~。」
司馬、
「おぅ~~、お疲れ~~。かかかか、礼美~~。今、君の話、してた~~。」
礼美、司馬に、
「はい…???」
するとスタッフ、
「あれ…???…君。確か…、横井土礼美(よこいどれみ)さん。」
礼美、
「あ、はい。」
「そうか~~。君だったか~~。いやね。さっき放送されたエレガンサ化粧品のコンペ。それと密着映像のバックの声、視聴者から誰だって問い合わせがかなり来ててね~~。一応クレジットでは名前、出してはいるんだが、見てない人、多いらしい。…で、誰かって…。いや。それにしても新鮮でマッチングしてて良かったって。」
その声に礼美、
「うそ。ほんとですか~~???」
司馬、そんな礼美に、
「ははは。礼美、やったな。」
そして、司馬とハイタッチ、
「イェ~~~イ。」
そして礼美、ふたりに深くお辞儀をして、
「お疲れ様でした~~。」
実は、エレガンサの密着取材、そしてコンペまでのナレーターの担当を、
横井土礼美が大抜擢されたのだった。
その番組を見ていた麗子がいち早く、
「うそ。これ、礼美の声…???」
そして両手を叩いて、
「アッハッハッハッハ~~。かかかかか。や~~るね~~。賀寿恵、この声、我が家の親族だよ。」
賀寿恵も、テレビを見ながらも、
「へぇ~~~。凄~~い。」
そして横井土家の面々も満面の笑顔。
正嗣、
「良くやった礼美。いいぞぉ~~。ははははは。」
孫の大仕事に正嗣もご満悦であった。
そして…。ここに来て…。少し…、雰囲気が変わった人物がいた…。
「あ~~ん、もぅ~~。」
ここ3日ばかり。何故なのかは分からないが、ちょっとしたミスが多くなってきた人物。
それが…、優維香である。
ただ、それほど気にするミスではないのだが…。
元より、仕事に関するミスと言うか、自分自身のミスが目立ち始めていた。
ついつい考え事をしていてボールペンを落としてみたり、
探し物をしていて資料を床に落としてみたり。
こんな事もあった。
小埜瀬と資料室に行き、棚から資料を取り出すと、
いきなりその他のファイルがどっさりと上から。
思わず小埜瀬、
「お~~~っとっとっと~~。」
優維香の頭の上から何冊かまとめて両手でキャッチ、数冊が床に落ちたが…。優維香、
「リーダー、ごめんなさ~~い。」
そんな優香に小埜瀬、
「チーフ殿、大丈夫ですか~~。ここ、2、3日、何だか…。」
そんな小埜瀬に、
「だ、大丈夫ですよ~~~。」
と、自身では声に出すのだが…。
それにしても、他ならぬ、小埜瀬の前でのミスが多かった。
「チーフ殿。落ち着いて~~。成せば成る。何事も。です。」
優維香、その声に口を尖らせて、
「分かってますよ~~。ぶ~~~。」
「はいはい。」
ただ、ミスはあるものの、「争奪戦」に関しては優維香自身も、
「これなら。」と言う実感が持てるくらいの出来栄えにはなっていたのだった。
それも、故に、小埜瀬のデッサンによるものが多かったが…。
事実、長年の海外生活からか、
あらゆる民族の生活そのものまで体全体に孕ませていたような人物として出来上がってはきていた。
…けれども、更に優維香のちょっとしたミスは続くのだった。
悠里も、
「優維香~~。ちょ~~っとは、気晴らし、した方がいいんじゃない~~のかな…???」
とも言ってくれたのだったが…。
負けず嫌いの優維香、
「ふ~~~。まね~~~。」
と、そう言いながらも、ふいに部署を出て行っては帰らない小埜瀬に、顔をグシャリとさせて、
机の上に顔をベッタリと…、
「勘弁してよ~~~。」
未だに続いている小埜瀬の、「ふらり」と。
しかもそれが、優維香が席を外しているかパソコンと睨めっこをしている時が殆ど。
そして…。いよいよ争奪戦が4日後に迫った日に…。
優維香、また小埜瀬が席にいないのを見て、
「あんもぅ~~。絶対に、好きになれない。…どういう神経~~~???」
「それを言うんだったら、たまには一緒に行ったらどぅお~~???」
悠里。
すると、
「そぅよ~~~。」
離れた場所から瑛子。
「たま~~にはね~~。」
すると、他のメンバーたちからも…。
遼子に志津恵、阿寿沙。
そして入社1年の美知留、
「そうですよ~~、チーフ殿~~???」

好きになれない。 vol,259. ちょっとしたミスが多くなってきた人物。
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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
