藪岡、医局の廊下で、
「トイレで、何があった…???」
「そこで、陽織ちゃん、倒れてたんだと。…で、気付いたら…。変わっちゃってたと…。…本人は、そう言ってるけど…。」
亮輔。
スマホから藪岡の声、
「トイレで…。倒れてた…。」
「ふん。」
「何が…、どうなったの…かは…。俺も分かんないけど…。」
亮輔。
「あ、電車来た。」
藪岡、
「あ~~。とにかく分かった。気を付けて。」
電車がゆっくりとホームに。
その瞬間、阿須賀の隣で陽織、
「うっ。」
頭を前に…。左手で額を抑えるように、
「痛った~~。」
そんな陽織に阿須賀、
「大丈夫…???」
陽織、右目を瞑って阿須賀に、頭をコクリと…、けれどもニッコリと、
「う、うん。ちょっと頭が…。なんか、いきなりでっかい金槌みたいなんでガツンと叩かれたような…。」
阿須賀、陽織の頭を左手で撫でて、
「大丈夫~~???」
亮輔、そんなふたりを後ろから見て、
「うん…???…どうかしたか…???」
阿須賀、亮輔に、
「陽織ちゃん、頭痛いって…。」
いきなり亮輔、陽織の左隣に、
「大丈夫か…???」
瞬間、そんな亮輔を阿須賀、
「……。」
そんな亮輔に陽織、苦笑いをしながらも、2度頷いて、
「うんうん。大丈夫。何ともない。」
「そっか。…今、藪さんから電話…。とにかく、気を付けてって。」
看護師の奥嶺、熊沢に、
「先生、新宿蔵廉大学附属病院の藪岡先生と言う方から電話が入ってますけど…。」
その声に熊沢、
「藪岡…???…新宿蔵廉大学附属病院…。」
一瞬、以前、幸乃からの言葉を思い出して熊沢、
「分かりました。」
そして…。
「お電話代わりました。熊沢です。」
真輝、実は4時限目の講義を終えて大学を後にしていた。
既に世田谷駅に着いて陽織と一緒の亮輔と阿須賀。
亮輔、
「世田谷…かぁ。…久し振りに、来たなぁ。」
陽織、そんな亮輔に、
「そぅかぁ~~。」
「うん。俺は、青山だから。」
阿須賀、
「私は、綾瀬。」
陽織、
「へぇ~~。ふたり、とも、住んでる場所は、違うんだ。…って言うか…。」
陽織、亮輔と阿須賀を見て、
「ふたり供、大丈夫だよ。ひとりで帰れる。はは。」
そんな陽織を見て亮輔、阿須賀を見ながら、
「まぁ~~。…だとは、思うんだけ…ど~~。なっ。」
阿須賀も、亮輔を見て、
「うん…???」
顔を傾げて、
「うん~~。うん。…ねぇ…。」
横目で亮輔を見て、口を真一文字に。そして、意地悪そうにニッコリと。
亮輔、
「まっ。この際、ここまで来たんだ。家まで送るよ。かかかか。」
陽織は陽織で、そんなふたりに、
「まっ、いいけど…。」
3人共に話をしながら…。
陽織、亮輔の今の状況を…。そして阿須賀も今の状況を…。
その内に、目の前は汀家。
亮輔、阿須賀、
「ここかぁ~~。」
「ここなんだ~~。へぇ~~。」
陽織、
「阿須賀の実家も、お寿司屋さんだろ。こんな感じの家…。」
その声に阿須賀、
「ん~~~。…でも…。こんなに…、立派じゃ…、ないけどね~~。はは。極一般の住宅に、寿司屋のお店が繋がってるってだけで…。」
「へぇ~~。そうなんだ~~。」
亮輔、
「ヨシ。んじゃ、俺たちはここまで~~。俺、これからバイト、あるから。」
陽織、
「バイト…???」
「あぁ。俺、自動車整備工場でバイト。」
その声に陽織、
「へぇ~~。」
阿須賀、
「亮輔、実家は両親ともに、お医者さんなんだけどね~~。」
「うそ。凄っ。」
亮輔、
「とにかくっと。んじゃ。俺たちは。」
陽織、
「うん。ありがと。」
阿須賀、陽織に右手を、
「バイバ~~イ。」
真輝、もうすぐ世田谷と言う…、電車の中。
一方、こちら、長篠観音総合病院、ナースステーションで熊沢、藪岡との電話を切り、
「そぅかぁ~~。藪岡…海路。精神科医。柚香さん、精神科医と…。何とも…、偶然の…。」
そして、
「確かに。汀さん、おばあちゃんも…、それほど…、気にはしていなかったが…。」
奥嶺、熊沢に、
「あの…、先生…???…何か…???」
そんな奥嶺に熊沢、
「あ、いや…。ちょっと…。…汀、柚香さん。」
「あぁ、えぇ。」
「柚香さん、陽織さんと、入れ代わり、入れ代わり。」
その声に奥嶺、目を丸く、
「えぇ~~~えっ!!!」
熊沢、厳しい顔をして、
「えぇ。…で、今も、陽織さんに、なっている…らしい。」
「そ、そんなっ!!!」
「…で、藪岡先生、ウチの病院で、何かなかったんですかと…。」
奥嶺、
「そんな…。ウチでは何も…。…その…、藪岡先生、もしかして…、ウチの病院を…、疑って…???」
その声に熊沢、
「あ、いえ…。決してそんな事では…。…けれども、藪岡先生も、陽織さんと先に出会い、その後、柚香さんと出会い。」
奥嶺、その話に、
「まぁ。」
「精神科医であるが故に、放ってはおけなく。些細な事でも、情報をと…。…で、私に…。」
奥嶺、熊沢に話に、
「……。」
「柚香さんも、新宿蔵廉大学附属病院には訪れて、話を…。」

LIBRA~リブラ~ vol,150. 「でっかい金槌みたいなんでガツンと叩かれたような…。」
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