理沙、部屋で杏美に電話。
杏美、その声に、
「うそ。へぇ~~。おじちゃんとおばちゃん、許してくれたんだ~~。」
その声に理沙、
「許すっていうんじゃないけど~~。ただ、視野を広めて欲しいって…。」
「へぇ~~。凄~~い。」
「逆に、どんどん、外に出てけって。それに、それこそ、来年になったら、そうなる訳だからって…。」
「あんあん。順応天大学~~。しっかし、凄いよね~~。いっきなんて学校で凄いよ。ニコニコ顔だよ、理沙に順応天からって話聞いて。パラリンピック排出者、多数なんて…、ある意味、ヤッバ~~。凄いんだね~~。弓狩監督って~~。あっ、んじゃ、兄貴には私の方から。日時と時間も。当然、理沙んちに迎えに。」
理沙、
「うん。ありがと。」
そして…。
こちらはアパートで智樹、杏美からの電話、そして通話を切って、
「おっしゃ―――――っ!!!」
火曜日、和奏と理沙、いつも通り鴻上の部活。
そして、そこで、弓狩にふたり、丁寧にお辞儀を、
「ありがとうございます。」
弓狩、くすぐったいような面持ちで、
「いえいえ。とんでもない。私はただ、これからの理沙君を楽しみにしてるだけですから…。まっ、知り合いも、同じように、楽しみにしてくれてるようですので…。」
馨、そんな理沙の母と理沙を見て、将輝に、
「なんか、あったの…???」
将輝、
「あ~~。理沙、あいつ、順応天大学から誘いが来たんだ。」
「はっ…???何それ…、話、聞いてないんだけど。」
その声に将輝、
「なんでおまえが知るんだよ。」
「あ…、あ、あ~~。そっか…。」
そして、数分後に、2階から部活を見ているひとりの男性。
弓狩もその男性も右手を軽く上げて会釈のような…。
そして…、部活終了。
和奏と理沙、恵から玄関まで。
和奏、
「恵ちゃん、ありがとう~~。」
理沙も、
「うん。ありがとね。」
恵、
「は~~い。はは。」
理沙、
「な~~んか、恵ちゃん、嬉しそう~~。」
恵、笑顔で、
「うん。…多分、来週から、また部活にひとり、新しい子、入ってくる~~。私の後輩~~。」
和奏、その声に、
「おや~~。」
理沙、
「わは。じゃ、新しいマネージャー~???」
恵、ニコニコ顔で、
「うん。」
和奏、
「はは、た~~のしみ~~。」
理沙も、
「うんうんうん。」
「じゃ、恵ちゃん、ますます頑張んないと。」
恵、ニッコリとして、
「…ですね。へへ。」
その頃、体育館では、2階から降りてきた男性と弓狩が挨拶。
部員たちは体育館の掃除。
そんな中、弓狩、
「菅田君、神野君。」
呼ばれた将輝と馨、お互い顔を見合わせて、自分に人差し指を…。そして、
「…???」
将輝、
「俺…???」
馨、
「俺も…???」
そしてふたり共に、
「あ~~、はい。」
他の部員にふたり、残りを任せて弓狩の下に。
そして弓狩の傍で男性、ふたりに頭をコクリと。
そして弓狩、3人を伴って体育館を出る。
そして、学校の会議室に…。
弓狩、男性に窓側の席に左手を。そして将輝と馨を手前の席に。
「ふたりとも…。」
将輝と馨、
「あっ、はい。」
弓狩、ふたりに、
「菅田君、神野君、突然の話で、申し訳ありません。」
その声に将輝と馨、
「あ、あ~~、はい。」
そして弓狩、窓側の男性に左手を差し伸べて、
「こちら、東京バスケット実業団チーム、尾神電工の露口礼司(つゆぐちれいじ)監督です。」
将輝、馨、
「東京バスケット実業団チーム、尾神電工…。」
窓側の男性、露口、
「こんにちは、初めまして、尾神電工の露口と言います。」
将輝と馨、
「あ~~、はい。」
ペコリとお辞儀をして…。
けれども将輝、顔を小刻みに揺らして弓狩を見て、
「…って…、えっ…???…監督…???」
馨も、口を尖らせて、顔を傾げて…。
そんなふたりを見て弓狩、ニッコリと。
「…それでですね、菅田君、神野君。尾神電工さん、君たちふたりを、欲しいと言ってきてるんです。」
将輝、その瞬間、
「欲しい…。…って…???」
馨は、みるみる目を見開かせて…、
「う~~~っそっ!!!」
将輝、馨に、
「おぃ。」
馨、将輝に、
「バカ。おぃ、将輝、おま…。俺たちふたりを欲しいって、それ…、おま…。」
そして馨、弓狩を見て、
「か…、監督。それって…。つまりは…。俺たち…、尾神電工に、来いって…事…???」
その声に将輝、
「…えっ…???」
弓狩、
「神野君、意味合いは、その通りなんですけど…。我々、尾神電工さんが、君たちに我が社に来い、とは、言えませんね~~。つまりは、菅田君、神野君、ふたりを、尾神電工さん、バスケット実業団チームの一員として、招きたい。つまりは、スカウトしたい。」

信じて…良かった。 vol.228. 「視野を広めて欲しい。」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
