近所のサボテンに花が咲いてました!
でもこの花、ポロっとすぐ落ちるんだよなー。
………
昔、一人暮らしをしていたマンションの近所に、2〜3メートルはある巨大なサボテンがあった。
そのサボテンは、マンションとマンションの間、1メートルくらいの隙間に置かれたプランターからニョニョニョニョっと伸びており、建物にもたれるような感じで存在していた。
もう10年くらい前のこと。
千葉で一人暮らしを始めたばかりで友達もおらず行くところもない私は、近所をウロウロと散歩ばかりしていた。
初めて見た時にはびっくりした。
誰か立っているのかと思ったのだ。
それくらいの存在感があった。
…隙間だけど。
先日、急に思い立って、そのサボテンを探しに行った。
子どもを連れて電車を乗り継ぎ、寂しくも懐かしい駅で降りた。
駅から5分もないほどの旧道沿いを、子どもの手を引いて歩く自分が不思議だった。
あの頃は子どもを産むどころか、結婚や、普通に生きて生活していることすら想像できないくらい、お先真っ暗な気持ちでいたから。
知っているお店の間に新しいマンションが立っていたり、やっていけているのかこちらが不安になるような寝具店がなくなっていたりと、少しの距離なのに随分変わっていた。
建物と建物の間を、いちいち全部点検しながら行ったが、サボテンは見つからなかった。
そりゃそーだ、10年も経てばね。
プランターに植わってた植物だしね。
自分を納得させようとしたけれど、やっぱり寂しかった。
もしかするとあの背の高いサボテンは私の妄想で、実在しなかったのかもしれない。
何にせよ、サボテンは見当たらなかった。
私のリトルトリップは、ものの10分で終わったのだった。
……
写真のサボテン、さっき見たら、花はもうなかった。

