一度、触れたと思うが、また昨年の五輪撮影で最近、話題をふりまいている映画監督でもある。河瀬直美監督作品といえば今は亡き「樹木希林」主役の「あん」であるが、商業娯楽の枠の作品として私は評価しないでもない。この作品はカンヌ賞の「ある視点」部門として注目を受けたとされていて、「樹木希林」役の少し体が不自由な老女が雇われ店長の青年が作る「どら焼き」屋に職を求めるところから始まり、最初、店長は老女を追い返すが、老女が持参していた「あん」の味に驚き雇用に至り、老女から「あん」の作り方を伝授され、その事で「どら焼き屋」が繁盛し、女子学生達にも人気の店となるが、老女には身体的に体が不自由な事から店から自ら店を辞める決意をして満開の桜の下から店を去り、老人ホームに戻り、まもなく亡くなるという筋書きであったのが印象に残っている。おりしも、主役であった樹木希林さんも、これが最後の作品となっ事も覚えている。

 しかし、何度も書くがこの「あん」という作品は”記録映画”では無いのだ。ましてや「公式」にはならないのだ。それは何故か?知名度が高い俳優が出演し、監督などの指示もとで演出が行われ、演技が醸し出される、ある意味において見る側の観客の「ココロ」を掴まねば作品として成立しないからだ。それは。記録映画もそうかも知れないが、記録映画というのは基本的に演出のようなものはないのだ。つまり、作り話では無く、映像の中に入る人物は演出をしてはならないのが基本だと私は認識している。ありのままを映し、それを見る側が受け止めて、考え、ココロや頭に残る作品こそが、名画だと私は思う。

 

 ところが、今回の河瀬監督が五輪の記録映像を撮る姿勢は評価できるようなものでは無い。昨年の五輪には新型コロナの影響もあり、開催に向けて反対する市民も多くいて、バッハ会長が宿泊する都内の高級ホテル前や代々木の会場前などでは反対抗議が行われていた。

 もし、記録映像として撮影して、公式記録映画として公表するならば、五輪に反対している、市民側の抗議の状況も撮るのがあたりまえだろう。なぜなら、五輪も新型コロナウイルス感染症という世界的にも重大な局面があったからだ。それを、無視のごとく、さらにデマと考えられる五輪反対デモ参加すれば金銭がもらえるなどとし、どうみてもCGがごとくの人物を利用し、手には缶ビールを持たせ、公園のベンチに座らせ助監督がその模様を撮影し、さらにその後ろからNHKが撮影し、報道番組に「金銭がもらえる」というテロップまで流し報道しているのだ。

下にその時の画像があるのでご覧下さい。

 

 

 黒のTシャツの人が、河瀬監督の助監督で、手提げ袋に缶ビール、、椅子に座っている、人も同じ缶ビールで五輪のスポンサーでは無いキリンの缶ビールというところもミソ演出!で、その後ろからNHKが撮影というデタラメぶりです。

 

2022年1月17日

船橋市海神:弓場清孝