今日の朝日新聞の社会面に「やまゆり園」事件の犯人・植松聖に殺害された遺族の男性が立川拘置所に収容されている植松被告に面会され、心境を語られているが、十九人も殺害し、職員も傷つけた植松に今後の生存権はあるのだろうか。
私は言葉こそ話せるが、障がい者の立場からすれば断じて許されるべきではないと思います。植松は手記を書き、殺害の正当性を主張しています。いわゆる、優生思想の考えに基づいた卑劣な考えで行動した結果が「やまゆり園」を血の海にしてしまったのです。言葉もしゃべれない、静かに寝ておられた被害者の首を絞め、ハンマーで頭を叩き殺したのです。私は2年前に心臓の手術をし、苦しんでいる時、ベットの中でこの事件を知り、震え上がりました。そして昨年には脳出血を患い退院前に高齢者施設の入所も薦められましたが、こういった施設においても昨今、施設職員による入所者への殺人事件が頻発しているところから、施設という幽閉的なところは決して入所しないと決めているのです。安倍政権になって特にこのような凶悪な事件が多くなっているような気がします。
(下の記事は今日の朝日新聞・社会面の記事です。)
相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、職員を含む27人が重軽傷を負った事件から26日で2年。被害者の遺族の男性(59)が、殺人などの罪で起訴されて裁判が始まるのを待つ元職員の植松聖(さとし)被告(28)と、再び向き合った。時を経て、男性は心境の変化を感じている。
■実名が証しに
「遠いところ、ありがとうございます」今月4日、立川拘置所(東京都立川市)の面会室。植松被告は小柄な体をくの字に折り曲げて頭を下げ、椅子に座った。事件当時の金髪が、わずかに毛先に残る。長く伸びた黒髪を後ろで結い、柔和な表情を浮かべていた。今年6月に続き3度目の面会に、朝日新聞記者も同席した。初めての面会は、事件から1年を前にした昨年6月。姉(当時60)を殺害された男性はそのころ、「死刑にしてほしい」と思っていた。だが今回の面会で、かつてのような憎しみは湧いてこなかった。
この1年で変わったことが、もう一つある。事件の報道に接するたび、「遺族が被害者の実名を明かさないから、被害者は命を奪われただけでなく、この世に存在した事実さえ消し去られている」と言われている感じがして、葛藤を覚えるようになった。当初は匿名を選択していた。でも、殺害された姉は単なる「入所者の女性」ではなく、個性ある一人の人間だ。実名を出すことは、生きた証しを残すことにもなる――。
家族の了承を得られた姉の名だけを、明かすことにした。
宏美さん。生後まもなく、脳性小児まひと診断された。会話は難しかったが、表情を見れば感情は伝わってきた。施設で30年余り、過ごしてきた。毎年恒例の身内の新年会。食べることが大好きな宏美さんは、親族とテーブルを囲み、おいしそうに料理をほおばった。公園に一緒に出かけると、気持ちよさそうにいつもにこにこしていた。3年前の夏、腸の病気で入院した。手術できる状態になく、生死の境をさまよったが、奇跡的に回復した。「これで長生きできるね」。みんなで喜んだ。
なのに、あの日――。
■青空はいいよ「姉が憎かったの?」。「いえ。憎くありません」。昨年6月、初めて会った植松被告はうめくばかりだった。怒りを通り越し、むなしさが募った。同時に、「彼に何か伝えたい」とも感じた。今年6月の2度目の面会。不思議と憎いとは思えなかった。事件当時より心が落ち着き、憎むことに疲れたのだと思う。「一度きりの人生。更生してやり直そう」。そう語りかけていた。伝えたい「何か」の答えが見つかったような気もした。「あとは司法に任せるんだ」と、自身の心に区切りをつけたかったのかもしれない。
そして、今月4日。3度目の面会の冒頭で、宏美さんを襲った理由を再び問うてみた。「障害者は社会に必要ないと感じたから」。植松被告ははっきりした口調で述べた。「自分にできることができた」「絶対正しいと思った」。後悔は「していない」と言い切った。押し黙る場面もあった。事件前に戻れたら同じことをするか、と尋ねたときだった。しばらくして「やらないかもしれない」と絞り出すように言い、「今の(拘置所での)状況が楽しくないから」と続けた。将来について聞くと、「外に出るイメージ、自分が生き残っているイメージが湧かない」……。
「青空はいいよ」。男性は25分間の面会時間の最後に告げた。退室まで、植松被告は深々と頭を下げ続けていた。「彼はやっぱり普通じゃない。何を考えているかわからないし、本音を言えば怖い」。男性は言う。その一方で「私も彼も、変わってきたのかもしれない」。
これからも面会を続けるつもりだ。「会う義務があると思うし、この先も自分の気持ちが変わらないか確かめたい」
(飯塚直人)
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2018/7/26
船橋市:弓場清孝
