渋谷区立松濤美術館に行ってきた。

 

 

かの 白井晟一設計の建物なのである。

 

 

港区にある白井晟一設計「ノアビル」を外観のみ見たことがある。

ふむふむ…何となく共通している部分があるような。

 

 

「没後50年 髙島野十郎」展である。

 

髙島野十郎は、東京帝国大学農学部水産学科を首席で卒業しながらも画家の道を選び、独学で絵を学び、特定の美術団体に属さず、個展のほかは絵を発表することはなかったという異色の画家である。

 

作品は非常に写実的、それゆえに物語を秘めているようで魅力的に思った。

 

大阪会場(大阪中之島美術館)で同展覧会を鑑賞された方のブログを拝読し、メラメラと期待を高め、展示室へ…。

 

本展覧会は、特別陳列室のみ撮影可。

 

「さくらんぼ」 昭和31 (1956)年頃 油彩・板 福岡県立美術館

 

 

同じくサクランボを描いた作品が別室に1点あった。

 

「さくらんぼ」 昭和32 (1957)年 油彩・画布(板貼) 個人蔵

 皿に入ったサクランボ、皿からこぼれたサクランボが描かれ、こちらも手前に1粒濃い色のサクランボが描かれていたが、明らかにちょっと変色の度合いが進み、食べられないかも…という感じだった。何か意図が?

 

「桃とすもも」 昭和36 (1961)年 油彩・画布 個人蔵

 

 

「満月」 昭和38 (1963)年頃 油彩・画布 東京大学医科学研究所

 

 

解説パネルに「光と闇は相関関係にあり、光の明るさと闇の深さが両者を一層際立たせている」とあった。

本作品には、月光で照らされた樹木の葉が描かれている。

 

この他にも月を描いた作品で気になったもの。

 

「月」 昭和37 (1962)年 油彩・画布 福岡県立美術館

 満月。下部に、かすかに雲が浮かんでいる様子が描かれていた。

 

「有明の月」 昭和36 (1961)年以降 油彩・板 福岡県立美術館

 三日月が描かれていた。

 

「月」 昭和37 (1962)年頃 油彩・画布 個人蔵 

 明るい満月。雲と樹木がしっかり確認できる。

 

「月」 昭和38 (1963)年頃 油彩・画布 個人蔵 

 満月のみ。

 

 

「友禅菊」 昭和40 (1965)年 油彩・画布 東京大学医科学研究所

 

 

解説パネルに「花は小さく可憐な印象である一方で、ほぼすべての花が等しくこちらを向いている圧巻の様子に目を奪われる」とあった。

 

また、「壺の手前には翡翠のような玉が一つ置かれている」ともあり…

 

 

おお。気が付かなかった。改めて、解説パネルはじっくり読まなければ…と思った次第。

 

同じく、「ほぼすべての花が等しくこちらを向いている」花瓶に生けられた菊の作品が別室にあった。

 

「菊の花」 昭和31 (1956)年 油彩・画布 個人蔵 

 花瓶に赤、白、橙、ピンクなど色とりどりの菊が生けられている。菊の花がほぼすべて手前を向いおり、花瓶の前には1粒の真珠が置かれていた。きっとなにか意味があるのだろう。

 

「すもも」 昭和23 (1948)年以降 油彩・画布 個人蔵

 

 

スモモは大きさは同じようであるが、様々な色で描かれている。

解説パネルによると、本作品は川上弘美氏の『真鶴』(文藝春秋、2006年)の表紙に使われているらしい。

 

検索してみると、朱色で大きく「真鶴」と書かれた白いカバーと、本作品が印刷された単行本の表紙の写真を探し当てた。とても素敵である。

 

「睡蓮」 昭和50 (1975)年 油彩・画布 福岡県立美術館

 

 

本作品は、野十郎の絶筆となった作品だそうだ。

 

別室にあった睡蓮を描いた作品も素敵だった。

 

「睡蓮」 昭和40 (1965)年頃 油彩・画布 福岡県立美術館

 柏市のアトリエ近くで自ら育てた睡蓮を描いたそう。池の水面が赤く染まっているのは夕焼け空を映しているからだそうだ。その水面の色と睡蓮の花や葉、周囲の草花がとても映える。

 

本展覧会には多くの「蝋燭」の作品が展示されていたが、こちらに一挙9作品もが集められており圧巻。

 

 

うわーっ。どれも魅力的である。吸い込まれそう。

 

上段の真ん中、「昭和9年頃、油彩・画布、個人蔵」の「蝋燭」に特に惹かれた。

 

 

その日の気持ちによって惹かれる作品が違うかも…。

 

 

私が求めたポストカードの「蝋燭」は「大正時代(1912-26) 福岡県立美術館」のものである。

炎の揺らめきが違う!

 

あまりの感動に図録を求めた。

 

表紙は「からすうり」(昭和10 (1935)年 油彩・画布 福岡県立美術館)。

素敵な作品だった。

 

そして、図録には、なんと、又吉直樹氏の書き下し短編小説が収録されているのだ。後ほどじっくりと眺めたい。

 

この他、気になった作品のメモ(多すぎ)

 

「洋梨とブドウ」 昭和16 (1941)年 油彩・画布 福岡県立美術館

 

「こぶしとリンゴ」 昭和41 (1966)年頃 油彩・画布 福岡県立美術館

 花瓶に生けられたこぶしの花、花瓶の周りにリンゴが5つ、逆光で優しい雰囲気。

 

「ひまわり」 昭和29 (1954)年頃 油彩・画布 福岡県立美術館

 

「草間の小川」 昭和32 (1957)年 油彩・画布 個人蔵 

 小川の周りの草の緑色が良い。

 

「れんげ草」 昭和32 (1957)年 油彩・画布 個人蔵

 

「法隆寺塔」 昭和33 (1958)年 油彩・画布 個人蔵

「雨 法隆寺塔」 昭和40 (1965)年 油彩・画布 個人蔵

 同じ場所を描いていて、「法隆寺塔」は晴天の様子、母子と思われる人物が小さく描かれており、「雨 法隆寺塔」は細い雨が降っており、人物はいない。ふと、吉田博の版画が思い浮かんだ。

 

「菜の花」 昭和40 (1965)年 油彩・画布 ブルーミング中西株式会

 

「空」 昭和23(1948)年以降 油彩・画布 個人蔵 

 ひまわりが描かれている。

 

「冬の地蔵」 昭和23(1948)年以降 油彩・カンバスボード 個人蔵

 雪に埋もれた野仏が描かれている。とても良い。

 

とても素晴らしかった。

松濤美術館は初めて訪れ、2階展示室「サロンミューゼ」に大きなソファーが設えられおり、その意心地の良いこと!

 

 

もう1度訪れたいと思った展覧会であった。

作品保護のためか展示室はかなり涼しく感じたので(私は薄手の長袖ワンピースを着用)、次回訪れるときは上着を持って行こうと思う。

 

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美術館に向かう前、スーパー「成城石井」直営のレストラン「Le Bar à Vin 52」で、

「フォアグラハンバーグランチ~黒トリュフのマディラソース~」を。

 

 

これが美味しくて、実は2度目。

 

 

数量限定なので、今回も味わえて良かった・・・。