7月15日のサントリー美術館「まだまだざわつく日本美術」展の「特別内覧会スライドレクチャー」に沿った記録。その2からのつづき。

 

第1展示室から階段を降り、吹き抜けになっている第2展示室の空間のアレンジも当美術館の魅力。

 

第4章の「ぱたぱたする」に合わせて箱が展開されて降りて来る感じに。

 

床も注目ポイントとのこと。

 

この吹き抜けスペースに、「プロローグ」の展示室にあった「隠れ法師」がいるとか…どこに隠れていたのだろうか。次回訪れた時に見つけてみたい。

 

【第4章 ぱたぱたする】

 

「紫陽花螺鈿蒔絵重箱」 一合 江戸時代 17世紀

 

 

こちらは4面繋がってエンドレスの図様なのだ。

それが分かりやすいように展示台に展開図をモノクロで展示したそうである。

 

 

このグレースケールも試作の結果、75%に決まったとのこと。大変工夫されているのだ。

 

 

側面1

 

側面2と1

ちょうど角のところに紫陽花が配置されているのが素敵。

 

側面4と3

急流の配置が角にあるのも見どころとのこと。

 

側面4

 

この左奥の側面1の紫陽花に繋がる。うわーっ良いねー。

 

 

※こちらは前期展示のみ。紫陽花の季節も終わり。

 

「紫霞風炉」 木米 一基 文政7年(1824)

 

木米は江戸時代後期の陶工であり画家。

このサントリー美術館の「没後190年 木米」展で知った。

 

 

煎茶用の焜炉。

 

 

側面から背面とずらっと茶の効能についての古代中国の漢詩が彫刻されている。

これを良く分かるように展示したいと、研修で訪れた中国の博物館のアイデアを参考にまるで展開図のように撮影した写真を合わせて展示されたとのこと。

 

 

窯変の様子も良く分かるし、文字がぎっしりと刻まれている様子も分かる。

木米は読書人でもあったそうだ。

 

【第5章 ちくちくする】

 

津軽こぎん刺しを紹介。

もともとは通気性の良い麻布の補強、保温性の向上のためになされていたそうだが、次第に装飾性も帯びるようになったとのこと。様々な技法が展示されていた。

 

作品番号5-1「東こぎん 着物」 一領 江戸~明治時代 19世紀

 

 

トルソに着せての展示は、麻布の薄さが良く分かるようにとのこと。

確かに、透けて見える。

そして、衣服は身に付けるためのもの、着物は平面構成ではあるが、デザインは着用した後のことが考えられているので、こうやって立体的に展示されていると分かりやすい。

※この作品番号5-1は前期展示のみ。

 

作品番号5-13「東こぎん 身頃」 一枚 江戸~明治時代 19世紀

 

 

「てこな」(蝶)の総模様。こぎん刺しは上から下へ刺していくのだが、右の前見頃の肩山近くでは定形の蝶の刺し方だが裾に向かうにつれ変形しており、アレンジされているとのこと。

 

 

ふうむ。確かに。

 

こちらが後ろ見頃。

 

 

※作品記号5-13は前期展示のみ。

 

そして、こぎん刺しが良く分かるように、担当の久保学芸員手づから作成されたよう。

 

 

ホームセンターで購入できる材料で、しかも紐は綿100%のものを使用し、こぎん刺しの風合いがでるように工夫されたとのこと。

 

 

この「紗綾型」が一番難しい模様だと言われてるそうだ。

 

(まだまだつづく)