大阪中之島美術館に行ってきた。

 

 

「日本美術の鉱脈展」である。

 

 

「知られざる鉱脈」を掘り起こし、美しい宝石として今後の日本美術史に定着していくことを目標とする展覧会である。撮影可の作品もあり、これはありがたかった。

 

「第一章 若冲ら奇想の画家たち」から、豪華な作品ばかりである。

 

伊藤若冲「竹鶏図屏風」寛政2年(1790)以前

円山応挙「梅鯉図屏風」天明7年(1787)

二曲一隻 紙本金地墨画 個人蔵

 

 

 

大きなパネルになっていたこちらである。

若冲と応挙が一隻ずつ手掛け、二曲一双屏風である。

金箔の質が同じで発注者が金屏風を仕立てて、若冲と応挙に画材を指定して依頼したのではないかとのことだ。

館内の解説パネルにも描かれた鶏や鯉の視線について書かれており、なるほど…。

とにかく美しい屏風であった。何度もうっとりと眺めてしまった。

私としては、正面から二隻を眺めるより、左から、右からと眺めるほうが好み。

 

伊藤若冲「乗興舟」 一巻 紙本拓版 明和4年(1767) 京都国立博物館

 「乗興舟」は、2024年に福田美術館で詳しい解説付きで鑑賞したことを思い出す。その時の知識でこの作品を鑑賞できることは幸せかも。

 本展覧会では一巻ごと展示されており、それも嬉しい。

 会期後半は三井文庫所蔵のものが展示されるようで、それも関心がある…微妙に違いがあるのだろうなあ(果たしてそれが私に分かるかどうか)。

 

伊藤若冲「象図」 一幅 紙本墨画 寛政2年(1790) 東京富士美術館

 黒い背景で白い象が画面いっぱいに描かれている。

 耳や足の表現が摩訶不思議で、ゆっくり座って、この絵をぼお~と眺め、お茶なんか飲みながら、若冲はどうしてこんな表現をしたのか考えたりできたら良いだろうなあと思った。

 

伊藤若冲「釈迦十六羅漢図屏風(デジタル推定復元)」 八曲一隻 令和6年(2024)  TOPPAN株式会社

 

 

白黒図版のみしか残っていなかった幻のモザイク屏風を最新のデジタル技術と学術的知見の融合で復元した作品。

復元の過程が映像で紹介されていた。

 

 

きっとこんな感じだったのだろうと思いつつ、鑑賞。

モザイク画の升目の埋め方は9つのパターンがあるそうだ。

 

伝岩佐又兵衛「妖怪退治図屏風」 八曲一隻 紙本着色 江戸時代(17世紀) 個人蔵

 

 

坂上田村麻呂が鬼神たちを制圧した説話を描いたという説が有力らしい。

 

 

右隻の妖怪たちが何ともユーモラスなのだ。

 

 

 

左隻の武者たちの表情も面白い。何と言っても色彩が美しい。

 

「第三章 素朴絵と禅画」

 

白隠慧鶴「大黒天鼠師槌子図」 一幅 紙本着色 江戸時代(18世紀) 大阪中之島美術館
 

 

解説パネルのタイトルが「なぜか鍾馗さんだけ不機嫌」で、確かに…。

 

 

サントリー美術館の所蔵の絵巻「かるかや」、日本民藝館所蔵の絵巻「築島物語絵巻」も展示されており、じっくりと鑑賞。

 

最後の「第七章 縄文の造形、そして現代美術へ」

 

会田 誠「火炎縁雑草図」 一面 パネル、和紙、岩顔料、アクリル、インスタントコーヒー、木材
平成3年(1991)〜 平成8年(1996) 個人蔵

 

会田 誠「火炎縁蜚蠊図」 一面 パネル、和紙、金箔、墨、岩顔料、木材
平成3年(1991)〜 平成8年(1996) 個人蔵

 

 この2作品が並べて展示されていた。

 解説パネルに「縄文の火焔型土器や平安絵巻の火炎表現を想起させる立体額も本人の手による」とあった。

 「火炎縁雑草図」に描かれた雑草は、うっとりするほど美しく描かれていたが…材質技法の欄に書かれていた「インスタントコーヒー」はどこに使われていたのだろう。もしや額のほう?

 「火炎縁蜚蠊図」は金地の画面に墨でゴキブリが1匹描かれているのだが、単眼鏡で見たところ、このゴキブリがかなり美しくてびっくりした。 


会田 誠「電信柱、カラス、その他」 六曲一隻 アクリル絵具、キャンバス、パネル
平成24年(2012)〜平成25年(2013) 森美術館

 まるで壁画のような大きな作品。

 解説パネルのタイトルが「等伯松林図の変奏」で、「大惨事を思わせる風景が広がり、人類が死に絶え、カラスだけが生き残った世界を示唆しているかのような」と書かれていた。

 画面にはいくつかの傾いた電信柱、垂れた電線、多くのカラスが描かれており、うむうむと長谷川等伯の松林図屏風を思い出したりして…この作品が何を訴えているのかは実は良く分からなかったが、心が揺さぶられたのは確か。

 

会田誠氏といえば、過激な作品やテレビの美術番組にラフなスタイルで登場されるというイメージがあったのだが、このような作品もあったのかと新たに認識したのであった。

 

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あまりに暑かったので、館内のカフェレストラン「ミュゼカラト(Musée KARATO)」へ。

こちらは4月の「生誕150周年記念 上村松園」展でランチを味わい、美味しかったのだ。

 

 

半熟卵ののったレタスと海老のピラフ。レモンを絞って味わうと美味しい!

似たものを真似して作れないか…。

 

 

デザートのセット。こちらは同行者と分け合って味わった。

美味しかったなあ。

 

こちらでゆっくりと過ごして、梅田に向かった。