読了。
主人公の祖母が生まれ、第二次世界大戦終了後まで過ごした台南に、主人公が祖母に代わって訪れ、かつて祖母が暮らした場所を訪れるという小説。
六月の雪 (著)乃南アサ
「オール讀物」に2017年に連載されていたもの。
それ以前の取材に基づき書かれてたものだと思うが、第二次世界大戦以前に建てられた木造の住宅(社宅)がよく残っていると思った。
台南の日本時代の住宅が現在は一般の方の住まいとして使われていたり、イノベーションされ観光スポットのようになっているところもあるようだが、多くは手入れされぬまま廃屋となっており、日本時代に詳しい登場人物が、このような住宅は近いうちに見られなくなるだろうと話していたシーンがあった。
主人公は良いタイミングで台南を訪れたようだ。
本書にはたくさんの物語が詰まっている。
主人公が台南を訪れ、幸運にも人脈に恵まれ、その人々の助けにより、祖母の思い出の地を探していく物語。
骨折し入院した祖母を中心とする物語。祖母とその子ども(主人公のおじ、おば)との関係、祖母の台南での若き日の思い出。
そして、台南でかつての日本人住宅に住む台湾人母子の物語。
一つ一つ独立させても立派な小説になったかもしれないと思うほど濃い。
物語には、深刻で悲しい事柄も出てくるが、台南の素敵な風景、美味しい食べ物などの描写を読んでいると、台南に行ってみたくなる。
また、台湾の歴史についてももう少し勉強したいと思った。