読了!
数年前から「読みたい本リスト」に入れてあったものの、なかなか読む機会がなく、ようやく・・・。
森へ行きましょう (著)川上弘美
1966年生まれの留津の物語と、同じ生年月日のルツの物語が交互に語られる。
この物語の構造を知らずに読み始めたので、最初は「???」と面食らってしまった。
留津とルツの両親や兄弟は同じ名前で同じ生年のようだが、性格などは違う。
又、同じ名前だが、少し設定の違う登場人物もいる。ルツとは中学時代に知り合う人が、留津徒は大学時代に出会ったりする。
留津の世界とルツの世界は違うようである。
本書の「1988年 ルツ 21歳」のところにこうあった。(太字は本書からの引用)
選ぶ、ということは、なんて難しいことなのだろうと、(中略)選ぶ。判断する。突き進む。後悔する。また選ぶ。判断する。生きているかぎり、あらゆる瞬間に選択の機会はやってくる。
そのうえ、自分の意思で選択をおこなっているとルツは思いこんでいるけれど、はたしてそれは事実なのかどうか。
無数の岐路があり、無数の選択がなされる、そのことを「運命」というらしいけど、果たして「運命」は、一本道なのか。左を選んだ時の「運命」と、右を選んだ時の「運命」は、当然異なるはずで、だとするならば、「運命」は選択の数だけ増えつづけてゆくのではないか。
(いったい誰が、あたしの運命を決めているんだろう)
ルツの「運命」は、留津の選ばなかった「運命」ということか。
又、留津とルツの「運命」だけでなく、もっと別の「運命」を選択した主人公も現れ、「あっ」と声が出てしまったくらい驚いた。
私とほぼ同年代の主人公たちの物語、自分と重なるところがあったりして、ぐいぐいと読めた。
特に、40歳以降の物語には惹きつけられた。
こういう物語を読むと、毎日、ぼんやりと生きているが、絶えず、様々な選択を行っているのかと思うと、又、日々のことが違った目で見られるような気がする。
***********
今日は柏餅を食べた。(この柏餅を選ぶにあたり、選ばなかった「運命」もあった・・・)
この日とは違ったお店のものだ。
あっさりとした甘さで美味しかった。煎茶と良く合った。
近所の緑道を散歩した。
なんだか日差しが強かった。5月だからか。


